埴輪マン3 悪しき魂の正体

4/24
前へ
/25ページ
次へ
ビルの屋上に降り立つと奴を離した。 「ガァーッ!!」 『大和、奴が覚醒するぞ』 奴の周りの黒い気配が濃くなっていった。 「分かってる!」 (つるぎ)で斬り掛かった。 「えっ!?」 突然、奴は4体に分裂した。 『なんだと!?』 ハニワンも困惑している。 覚醒を始めてる奴が本体だと思うが、それを守るように残りの3体が囲んでいた。 「くそっ!これじゃあ間に合わない!」 分身は剣で斬っても斬っても倒れない。 『大和!弓を使え!』 「そうか!魂力注入!」 最初に変身した時に使った技だ。 後ろに飛び退き距離を取り、弓を引く動作をする。 光の弓矢が現れ、本体を狙う。 「いっけぇーっ!」 僕の放った光の矢は真っ直ぐに本体を射ぬいた。 爆煙が上がり、分身3体は消えてなくなった。 「やったぁ!」 『油断するな!奴はまだ消えてない!』 ハニワンが警告する。   「ガッ!…コレ…クライで…ヤられる…我ではない!」 「こいつも覚醒してから言葉を話すのか!?」 『大和!早くトドメを!』 僕は剣を抜いて斬りかかった。 「うおぉぉぉ!」 しかし奴はその切先を避けた。 「クッ!…覚えておれよ!」 奴は口から黒いガスを吐き出した。 「なっ!なんだ?これは!?」 目の前をガスで塞がれてしまった。 ガスを振り払うと奴の姿がなかった。 「どこ行った?…逃げた…のか?」 辺りに黒い気配はなかった。 『そんなバカな…』 ハニワンは愕然としているようだった。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加