埴輪マン３ 悪しき魂の正体

そもそも『悪しき魂』と言うのが何者なのか？って事だ。
ハニワンの時代以前からいたのなら、古代生物の一種なのだろうか。

しかし、覚醒した姿はどれも化け物としか言えない。
漫画に出てくる悪魔とか異世界のモンスターにしか見えない。
そんな古代生物の化石なんか出てきていない。
「じゃあ、奴らは元々は地球外生命か？それとも異世界から…」
『有史以前から存在しているが、どこから来たのかは分からないな』
結局、情報がなさすぎて正体不明なままだな。

「…あの逃げた奴はどうなったのかな？」
『…取り付かれた人間の魂が尽きれば、奴も生きてはいないだろう』
そのまま死んでくれれば、僕の出番はないって事だ。
「…そうだ、ニュースはどうなってるんだ？」
僕はテレビを点けてチャンネルを変えながらニュースを観た。
「…警官が発砲したのに、どこも事件の事はやってないね」
あれだけ目撃者がいたのにニュースにならない。
権力者の使いはそれ程、強力な組織って事なんだろう。

翌日、大学に行くとある動画が話題となっていた。
「西条、これ観たか？」
野口がスマホで動画を見せてきた。
「これは！？」
その動画には、僅かだけど埴輪マンが映っていた。
「面白いだろ？
警官から化け物を引き離したこいつ！
何か変身ヒーローみたいな格好してるけど、新番組の宣伝かな？」
昨日の悪しき魂と戦っていた動画だった。
「さ、さあ？どうだろう…」
まずいぞ、まずいぞ。
権力者の使いでも、テレビはなんとか出来てもネットの速さは止められないのか？
これが拡散されてるって事は、いずれ僕やハニワンの事もバレちゃうかも知れない。