夢のようなサプライズ

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 おまけに頭まで良くて、英語もネイティブ並に話せる。 そんな琉唯先輩だから、星宮グループの御曹司として、当然本社に入社すると誰もが思っていた。 でも、琉唯先輩は、一流大学を卒業してすぐに、夢を諦められずに俳優を志し、22歳でオーディションを受け合格した。  気づけば、スターの階段をあっという間に駆け上がり、4年目にして実力派俳優としてあちこちから声がかかる人気者になっていた。  そう、先輩は……私なんてとても手の届かない場所に行ってしまったんだ。  琉唯先輩は一旦控え室に入ったようで、姿が見えなくなった。  きっと、私のことなんて忘れているだろう。会って、すれ違っても声をかけてもらえなかったら……それほど悲しいことはない。  私は、「このまま会わない方がいいんだ」と、自分に何度も言い聞かせた。  いつか先輩に会えるかも知れない――  そんな淡い期待を抱いて「Jewelry HOSHIMIYA」に入社したなんて……  恥ずかしくて誰にも言えるはずがなかった。
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