真夏の再会

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真夏の再会

 パーティーを終え、招待客を丁寧にお見送りした後、私は片付けを手伝っていた。  ホテルの社員用の長い廊下、使った備品を会議室に返しにいく途中、とても耳障りの良い声が私の背中をつついた。 「夏凛」  ハッとして振り向くと、私の目の前を、一瞬、爽やかな風が吹き抜けた気がした。   「琉唯先輩!」 「探した」 「えっ」 「久しぶりだな。元気だったか?」  ほんの少しだけ息を乱して、先輩は言った。  この優しい声、何だか急に熱いものが込み上げた。 「……私のこと……覚えてくれてたんですか?」 微妙に体が震えてるのがわかる。 「……一応……な」 「い、一応って……」 「冗談だって。高校時代の可愛い後輩だからな、夏凛は。ちゃんと覚えてる」  可愛い後輩って…… どういう意味で捉えたらいいのか、琉唯先輩の言葉はとても曖昧だ。
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