血とナイフと虚無感

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「あと一回。君をナイフで突き刺して、内臓引きずり出してもいいかな? ほら、ボクはキミの事好きだし浸っていたいんだよ……。わかる? わかるよね?」  一人の男が血だらけの女性の死体を抱きながら、嬉しそうに言う。血だらけの彼は、血溜まりから血を掬い。頬や服に塗っては幸せそうに笑う。  告ったが振られ、それでも諦められず――。  愛を示したつもりが“狂気的”だった。 「キミをボクの目の届く場所に置いて、君の血に濡れたナイフは保存して……それから――」  楽しそうに話す彼だったが、彼女がいないことに対して虚無に襲われたか。突然、自分の首を斬る。  キミの血で濡れたナイフで死ねるのは、何よりも幸福だと――。
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