ダークヒーローとかダークヒロインって言うけど、結果誰かを助けてることに変わりはないわけで

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とはいえ。 私だって、悩みごとはある。 二人に比べて、軽い悩みだから言えない。 いや、言わない。 家族との不和なんて、残念ながらよく聞く話。 深刻なものもあれば、軽いけどちょっとだけ切なくなるものもある。 私の場合は、後者だ。 この道に入ることを咎められたわけじゃない。 暴力暴言のあらしだったわけでもない。 ただ、話を聞いてもらえないことが多かっただけ。 それは、地味にだけど確かに私の心を侵食した。 家族に、話そうとしても、話せないことが増えてしまった。 それでも、仲間はずれにされた訳じゃない。 ちゃんとそこに居ていいという空気はあった。 話を聞かせてもらえたし、たまには話を振られた。 だけど、面白いことが言えなかった。 何度もつづけば、話を振っても楽しくないと思われる。 そうして、私は自分のはなしをしなくなっていった。 それが、不和なのかは微妙なところだけど。 私は、ちょっと気不味いと思っちゃった。 家族は、どう思ってるか知らない。 もう、数年家に帰っていないし。 時々、ほんとうに気紛れだろうと思えるような頻度で、連絡はくる。 元気か聞かれるから、うんとだけ答える。 それだけ。 気をつけてね、と家族からの締めのことば。 はーい、と返信して終了。 ね、ほら。 大したことはないんだよ。 ただ、自分がつまらなくて、それが棘になっちゃってたときがあるだけ。 ただ、ちょっと溜息を吐きたくなる時はあるの。 泣きたくなる時も、たまに。 わけもなく、ってこういうことなんだろうね。 大丈夫。 私は強いから。 私は、強くなったから。 今は、話しても聞いてくれるひとがいるから。 ……私を救ってくれた二人には、感謝しているんだもの。 大丈夫。
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