そして誰もいなくなった 残り6人

1/1
前へ
/7ページ
次へ

そして誰もいなくなった 残り6人

 万座スキー場は、雪と温泉が楽しめる特別な場所だ。葛城烈と藤堂が到着した時、空は雲に覆われ、白い世界が広がっていた。二人はスキーウェアに身を包み、まずは万座プリンスホテルにチェックインした。 「さあ、滑るぞ!」葛城が興奮気味に言うと、藤堂も笑顔で頷いた。  最初に彼らが向かったのはプリンスゲレンデ。最大斜度21度、平均14度の斜面は程よく滑りやすく、二人はリフトで頂上へと上がった。ゲレンデからは美しい景色が広がり、遠くの山々も白く染まっていた。 「ここのナイターも魅力的だな」と藤堂が言ったが、今回は限定日ではないため、ナイター滑走は諦めることにした。  次に彼らはManzaスノーフィールドへ向かった。初心者向けのエリアでは、子供たちが楽しそうに滑っている。葛城は「今度は家族も連れて来たいな」と呟いた。  彼らは続けて、どうぶつの森コースに挑戦することにした。最大斜度13度、平均4度のこのコースは、万座に生息する動物の看板が設置されており、特に家族連れに人気がある。 「ここは子供向けだが、自然の中を滑るのはいい気分だ」と藤堂は楽しそうに言った。  その後、二人はしゃくなげコースとエキスパートコースに挑戦した。最大斜度27度の急斜面に、スリルを感じながらも技術を駆使して滑り降りた。エキスパートコースは圧雪されていたが、午後にはコブができ始め、二人はそれを楽しんだ。  最後に、二人は万座山ゲレンデに挑戦することにした。ここは最大斜度32度と最も急なコースで、途中の斜度変化が豊富なため、滑り応えがある。 「このコースは本当に素晴らしいな。まるで自然と一体になったような気分だ」と葛城が言うと、藤堂も「同感だ。ここに来てよかった」と応えた。  一日中滑り続けた二人は、夕方には温泉街に戻り、万座温泉の湯で疲れを癒やした。温かい湯に浸かりながら、二人は今日の滑走の思い出を語り合った。 「また来よう。次はもっと多くの仲間を連れて」と藤堂が言うと、葛城も満足げに頷いた。  万座スキー場は、二人にとって忘れられない一日となり、再び訪れることを約束しながら、彼らは温泉街の夜を楽しんだ。  ### 続き **夜の温泉街** 温泉に浸かり、満足感に浸った葛城烈と藤堂は、夜の温泉街を散策していた。暖かい湯で身体がほぐれた二人は、ビールを楽しもうと地元の居酒屋に立ち寄った。居酒屋の中は賑やかで、他のスキー客たちが焚き火を囲みながら楽しんでいる。 「寒い夜には、焚き火とビールが最高だな」と藤堂が言い、二人は焚き火の近くに座ってビールを飲み始めた。火の温かさが心地よく、冷えた身体をじんわりと温めてくれる。 「今日の滑走は本当に楽しかったな」と葛城が話を切り出すと、藤堂も同意しながら「また来たいな。次回はナイターも楽しみたい」と笑顔で応えた。 **奇妙な発見** そんな中、突然の停電が起こり、居酒屋の中が暗闇に包まれた。数分後、電気は復旧したが、その時には居酒屋の客たちはほとんど姿を消していた。葛城と藤堂は驚き、店内を見渡したが、誰もいなくなっていた。 「一体何が起こったんだ?」と不安そうに呟く藤堂。二人は急いで外に出て、温泉街を確認すると、街全体が静まり返っていた。 **探し物** 二人は不安を抱えながらも、街を歩き続けた。途中で見つけたコインランドリーに入ると、そこには誰かが置いていったルービックキューブがあった。藤堂はそれを手に取り、考え込むように回し始めた。 「何かの手がかりかもしれない」と葛城が言うと、藤堂は真剣にルービックキューブを解き始めた。 **不審な武器庫** その後、二人は古びた倉庫を見つけ、中に入ると驚愕した。そこには武器がずらりと並んでいる武器庫が存在していた。銃やナイフなどが所狭しと並び、二人は息を呑んだ。 「ここは一体何なんだ?」と葛城が声を潜めて言うと、藤堂も「まるで戦争準備でもしているかのようだ」と緊張した表情で答えた。 **リーマンショックの影響** 武器庫の一角にあった古い新聞記事に目を通すと、そこにはリーマンショックによる経済崩壊の影響で職を失った人々のことが書かれていた。さらに調べると、この武器庫はその影響で生活が困窮した人々が作った秘密の倉庫であることが分かった。 **謎の解決** ルービックキューブを解き終えた藤堂が、中から見つけたメモを見せた。そこには「全ての者が去った後、真実が明らかになる」という暗号めいた言葉が書かれていた。二人はこれが居酒屋や温泉街から人々が消えた謎の鍵であると確信した。 **結末** その夜、二人は全てを理解した。武器庫は、リーマンショック後に生き残るためのコミュニティが作った避難所であり、停電の間に人々は避難訓練を行っていたのだ。居酒屋の焚き火やコインランドリーのルービックキューブは、そのコミュニティの秘密のサインだった。 「これで全てが分かったな」と藤堂が言うと、葛城も「そうだな、でももう一つだけ心残りがある」と笑いながら答えた。 「なんだ?」 「次は本当にナイターを楽しむために、また来よう」と葛城が言うと、二人は笑い合い、温泉街の夜を再び楽しむことにした。 **エピローグ** その後、葛城と藤堂は再び万座スキー場を訪れ、今度は家族や仲間たちと共に、ナイターも楽しむことができた。雪と温泉、そして謎の解決による充実感が、彼らの絆を一層深めたのだった。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加