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私はなにをしてもあかねほど上手くできなくて、けれどそんな私のことも認めてくれて。
嬉しかった。本当なら、今私の横で、一緒に歌っているはずだよね。でも、ここに居ない。
一昨日、病室で弱弱しいリズムを奏でていた電子音が止まった。私は声も涙も出なかった。出せなかった。
そんな自分に腹が立った。そして、何の前触れもなく私から親友を奪った運命にも腹が立った。そんな私が怒る以外にできたこと。それは、あかねが学校中に聴いてもらうことを待ち遠しそうにしていた、私たちの合唱を完成させること。
全力を注いだ。貴女がきっと聴いていると信じていたから。
みんな、目標は同じだったよ。あかねに、この歌を届けるんだって。
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