協力な助っ人がいるようで。

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「すみません、電話が長くなってしまって」 ほどなくして葉子との電話を終えた左近が戻ってきた。 猫倉と久万山は何事もなかったかのように左近を迎え、どういう結果になったのか尋ねる。 「日取りに関しては何個か希望の日を提案してくれて、内容に関しては任せるとのことでした。決まったら私が彼女や親族に伝えるということで」 「そうかい、それじゃあなるべく早く祝言を挙げられるように色々決めていこうか」 一つ頷いた久万山は、上着の内ポケットから手帳を取り出すと白紙のページを開いてカウンターに置いた。 「まずは行列を行う道順や段取り、雨を降らせる者の配置場所。どれくらいの数が必要かも把握しておかないとか……」 「決めることがいっぱいだねぇ」 「何から何まで、ありがとうございます……」 必要なことを書き出す久万山の手元を見ながら猫倉は目を細めて楽しそうに笑う。 自分たちのために親身になって手助けをしてくれる二人の優しさを感じ、左近は座ったまま深く頭を下げた。 久万山と猫倉は顔を見合せると、左近の肩を叩いて大丈夫だというように笑ってみせた。 『めでたいことだからね、盛大にやろう!』
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