協力な助っ人がいるようで。

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「狐の嫁入りほど有名ではないけれど、晴れの日に雪が降ることを狸の嫁入りだという地域があるらしいねぇ」 「天気雪ってことですか?! 知りませんでした……」 カウンター内から出て左近の隣の席に座った猫倉は、持ってきた賄いの刺身をつつきながら思い出したように頷く。 店主が営業中に店内で堂々と休憩する姿に呆れながらも久万山は肯定の言葉を返した。 「相変わらず猫倉さんは物知りだね。長い間、人と共に暮らして生きてきたからかな」 「まぁそれもありますがねぇ。こうして店を続けていれば色んな話を聞くんですよ。それより早速、狐嶋さんの婚礼について計画を立てましょうや」 世話焼きの血が騒ぐ猫倉は張り切ったように腕捲りをして身を乗り出す。 しかし久万山は少し眉をひそめると、心配そうに左近の顔を見た。 「そのことに関してなんだけど、お嫁さんの意見は聞かなくて大丈夫なのかい? 勝手に決めてしまうことになるよ?」 「あ、そうですね……一応電話で確認してみます」 久万山の懸念することを理解した左近は一旦席を離れると、葉子へ電話をかける為に店の外へ出たのだった。
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