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バイトの面接は30秒でお払い箱!?の巻
伯父さんは私の父の兄です。
小峰晴康といいます。今は66歳です。
南らんぼうと、こがけんと、ピコ太郎と、岸部一徳に似ています。
とっても痩せていて身長169センチにして48キロです。
ほとんど外食のときも食べません。
しかも外食のとき、レシート入れにゴミを入れていました!
あと灰皿なのにコーヒーのマグカップを灰皿に乗せてソーサー代わりにして飲んでいました!
少し昔の話をしましょう。
伯父さんが正社員だった頃。
近くの町工場で働いているのですが、世の中が不況なので給料が下がってしまいました。
「家のローンを返すお金が足りなくなる。土日は暇なのでバイトを探すぞ!」と張り切っていました。
なかなか見つかりませんでしたが、「クロネコヤマトがうまくいきそうだよ」と言いました。
とてもうれしそうな顔をしていたので、「伯父ちゃん、うまくいくといいなあ」と心の中で祈りました。
それから何日も月日が流れていきました。
1つもバイトの話をしなくなりました。
それどころか、土日しっかり家にいて、外出もせず、色々な音が聞こえてきます。
洗濯機の音、とたんをあける音、仏壇の鐘の音、トイレを流す音など、生活音が聞こえて、バイトに行く気配がないではありませんか。
父に聞いてみると、小さい声で耳元でささやきました。
「梨沙、絶対に本人には言うなよ、気にするからな。クロネコヤマトの面接に行ったんだ。面接員の人に質問されて『重い荷物は運べますか?』と聞かれたら『重い荷物は持てません。他の仕事にして下さい』と言ったんだって。だから30秒でお払い箱ってこと。つまり、面接は落ちたんだよ」と教えてくれました。
私はかわいそうだな、あと1回でも面接受けたらいいのに、と思いました。
この話を母にしたら「重い荷物が持てないって、そのまま思ってること言ってるじゃん!全くもう!」とあきれていました。
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