7人目

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7人目

 翌朝、葛城と美咲は、昨夜の事件について議論しながら宿のロビーで再び捜査の手がかりを探していました。その時、新たな情報がもたらされました。警察が三浦の携帯電話を発見したというのです。携帯電話には、彼がタロットカードについて検索していた履歴が残っていました。さらに、宿のロビーで偶然知り合った宿泊客が、三浦がタロットカード占いを信じていたことを証言しました。  その日の午後、葛城と美咲は三浦が最後に訪れたバーを訪れ、そこでの目撃証言を集めました。バーテンダーは、三浦が指圧マッサージを受けた後にバーに来ていたことを話しました。指圧師が彼の体調を心配していたことや、彼が頻繁にそのマッサージ師のところを訪れていたことも分かりました。  さらに、三浦が宿泊していた部屋の捜査が進む中で、異様な発見がありました。部屋には小さなアーク溶接の機器が隠されており、何らかの目的で使用された形跡がありました。警察はこれが事件にどのように関与しているのかを解明するために、さらに調査を進めました。  葛城と美咲は次に、三浦が参加していたツアーグループのメンバーに話を聞きました。ツアーガイドによれば、三浦は非常に社交的で、他のツアーメンバーとも良好な関係を築いていたとのことです。しかし、その中の一人が、三浦が誰かに追跡されているような素振りを見せていたと証言しました。  この情報をもとに、二人は三浦が何らかの脅迫を受けていた可能性を考えました。宿泊先の従業員や他の宿泊客にも聞き込みを行い、三浦が滞在中に誰と接触していたのかを特定しようとしました。捜査が進む中で、三浦が冷たい夜に外出し、凍死寸前で戻ってきたという情報も得られました。  やがて、全ての手がかりが一つのポイントに収束しました。三浦が関わっていたビジネスの競争が激化し、彼に敵対する者たちが彼の命を狙っていたことが判明しました。葛城と美咲は、この背後に隠された真実を解き明かすために、さらなる調査を続けました。  翌朝、葛城と美咲は新たな手がかりを探して、三浦が頻繁に検索していたタロットカードの「死神」に続くカード、「塔」について調査を始めました。このカードは突然の変化や破壊を象徴しており、事件の背後にさらなる陰謀が隠されていると直感しました。 その日の午後、二人は三浦の携帯電話の履歴を詳しく調査し、「運命の輪」や「ワンド」に関する検索も見つけました。これらのカードが示す意味を考えながら、葛城と美咲は次の手がかりを求めて、三浦がよく訪れていた地元の占い師のところを訪れました。 占い師の名前は百目鬼(どうめき)亮太で、彼は三浦に何度かタロット占いを提供していた人物でした。亮太は、三浦が最近の占いで「運命の輪」と「ワンド」のカードを引いたことを思い出しました。 「彼は運命の変化と新しい挑戦に直面していると感じていました。でも、彼の心には大きな不安があったようです」と亮太は語りました。  その晩、葛城と美咲は狐の嫁入りの伝説が語り継がれる地元の神社を訪れました。三浦がこの神社を訪れていたという情報を得たからです。神社の境内には、まるで狐の嫁入りのように神秘的な光景が広がっていました。二人はその中で、三浦が最後に残したメモを発見しました。メモには「運命の輪が回り始めた。塔が崩れる前に、真実を明らかにしなければならない」と書かれていました。  このメモを手掛かりに、二人は事件の背後にあるさらなる真実を探るため、再び調査を続けました。三浦の同僚や高位の関係者だけでなく、もっと深い陰謀が存在する可能性を感じ取っていたのです。  やがて、全ての手がかりが一つの大きな絵を描き始めました。三浦が関わっていたビジネスの競争は表向きの理由であり、実際には彼が重要な秘密を握っていたことが明らかになりました。その秘密が暴かれることを恐れた者たちが、三浦を追い詰め、彼を殺害する計画を立てたのです。   その夜、葛城と美咲は地元の神社から戻り、手に入れたメモの内容を元にさらなる調査を進めました。彼らは三浦が抱えていた「重要な秘密」について考えを巡らせ、その秘密が誰にとって脅威であったのかを探ることに集中しました。  翌日、警察から新たな報告が入りました。三浦の死と関連するかもしれない7人目の犠牲者が発見されたのです。犠牲者は、三浦と同じビジネスに関わっていた人物で、名前は山本健一でした。山本は三浦の親しい友人であり、同じ秘密を共有していた可能性が高いと見られていました。  山本の死は他の犠牲者と同様に不自然で、現場にはタロットカードの「塔」が置かれていました。これにより、事件が単なる競争の範囲を超え、もっと大きな陰謀の一部であることが明らかになりました。  葛城と美咲は、山本の家を訪れ、彼のデスクからいくつかのメモを発見しました。それには、三浦と山本が共同で取り組んでいたプロジェクトの詳細が書かれており、彼らがビジネスの競争相手から脅迫を受けていたことが明らかになりました。  「これは一体どういうことだ?」葛城が疑問を口にしました。「なぜ彼らはこんなにも命を狙われていたんだ?」  美咲はメモを読みながら考え込みました。「彼らが持っていた秘密…それが全ての鍵だと思うわ。もっと詳しく調べる必要がある。」  その後、二人は三浦と山本のビジネスの競争相手たちを洗い出し、その中から特に怪しい人物を絞り込みました。特に一人の名前が浮かび上がりました。大企業の幹部であり、三浦と山本のプロジェクトに強い興味を持っていた男、黒田直樹です。  黒田は冷酷な手腕で知られ、競争相手を排除するためなら手段を選ばないと言われていました。葛城と美咲は黒田に接触するため、そのアポイントメントを取り付けました。  黒田との対面は緊張感に満ちていましたが、二人は巧みに質問を投げかけ、黒田が関与している証拠を引き出すことに成功しました。黒田は三浦と山本が持っていた秘密を手に入れるために、彼らを追い詰めていたのです。その秘密は、新たな技術の特許に関するもので、それが公開されれば、黒田のビジネスに大きな打撃を与えるものでした。    
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