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◇◆◆◇ 武田は後日連絡を入れてきた。 それから更に数日経ったある日の午後、俺は栗栖と共に奴のマンションに向かった。 奴のマンションは、奴らの親父が所有する物件だ。 繁華街の裏通りにある煤けた建物、階数も5階しかない。 裏通りは空き家になった古い木造家屋、潰れてそのまま放置された商店などが立ち並び、荒廃した薄汚い雰囲気だ。 適当な場所に車をとめ、栗栖を連れてマンションに向かった。 年季の入ったエレベーターに乗り、5階を目指す。 機械音が古びた音を立てて5階に到着したら、くすんだ廊下を歩いて角部屋に行った。 ドアホンを押したら、すぐにドアが開いた。 「おう、きたな、上がりな」 武田が顔を出して言い、俺が先に中に入った。 短い廊下の向こう側に部屋が左右にある。 武田は左側の部屋に入って行ったので、栗栖を従えて俺もそっちに行ってみた。 部屋は分厚いカーテンがひかれていて、昼間だというのに薄暗い。 壁際に棚、その横はクローゼットになっていて、椅子などが無造作に置かれているが……一番奥に置かれたベッドの上を見てギョッとした。 マッパに剥かれた青年が、首輪と鎖でベッドのヘッド部分に繋がれている。 口には猿轡が噛まされ、目隠しをされた状態で膝を抱え、恐る恐る俺らの方へ顔を向けた。 青白く痩せた体は幼さを残してはいるが、身長は180はありそうだ。 俺達の気配を察し、青年はガクガク震え出した。 か細く頼りない体、こんな怯える奴にここまでやる必要があるのか? 「おい……、こりゃちょっとやり過ぎだ、こんな事をしなくても逃げたりしねぇだろ」 趣味だかなんだか知らねぇが、呆れてつい口走った。 「ふっ、びびんなよ、こいつは借金のカタだ、自分の体で稼ぐとてめぇから約束した、確かに逃げたりするこたぁねぇだろうが、これも勉強のうちだからな、さてと……、おいタクト、今日はな、お客さんを連れて来た、客を満足させなきゃ駄目だ、わかってるよな?」 武田はベッドにどっかりと腰掛け、青年に話しかけたが、タクトという青年は震えながら無言で頷く。 何気なく栗栖を見たら、眉間に皺を寄せて険しい表情をしている。 牙を剥く狼のような面は、今にも噛みつきそうな勢いだが、無抵抗の青年にこんな真似をする事が許せねぇんだろう。 「おい栗栖、落ち着け」 武田に殴りかかったらマズいので、ひとこと注意した。 「わかってます、ただ……、こりゃひでぇ」 「ああ、だが……俺らには関わりのねぇ事で、こりゃあくまでも奴の趣味だ」 俺も栗栖と同じ気持ちだが、俺らには俺らの事情ってやつがある。 その為にここへ来た。 一時の感情で先走って、大事な事を忘れちまったら……それこそ馬鹿を見る。 武田はヘッド部分から鎖を外し、タクトをベッドからおろして鎖を引っ張った。 「さ、来るんだ、まずは体ん中を綺麗にしてからだ」 タクトは猿轡を外されたが、目隠しされたまま浴室へ引っ張って行かれた。 2人きりになり、栗栖がここぞとばかりに話しかけてきた。 「若、ありゃガキっつーか青年だ、けど、すげー怯えてる、そんな奴をやるんすか?」 「らしいな……、俺はな、こんなヤクザなんかやってても……あんなに怯えてるのを見たら……可哀想に思う」 「はい……そうっすよね、俺、やりたくねぇ」 栗栖の気持ちはよくわかる。 俺だって嫌だ。 「栗栖、お前は控えてろ、俺がやるわ」 しかし、やらねばならない。 栗栖には荷が重過ぎる。 もし武田にムカついて暴れだしたら厄介だ。 「若……」 栗栖は何か言いたげな顔をしていたが、悔しげに口を引き結んだ。 しばらく待っていると、武田がタクトを連れて戻ってきた。 タクトは鎖を外されている。 「待たせたな、鷲尾、お前はネコらしいが、こいつを可愛がるくらい、できるよな?」 武田は俺の事をネコだと決めつけてやがる。 「だから違う……、そんなんじゃねぇ」 親父に命じられてタチをやっただけだ。 「ったくよ~、俺はな、そっちに関しちゃ差別はしねぇ、別になんとも思わねぇよ、できるよな?」 奴は変に理解を示しているが、こっちは困惑するだけだ。 「あ、ああ……」 兎に角、今はそんな事はどうでもいい。 「よーし、タクト、来い」 武田はタクトをベッドに連れて行ったので、俺もそばに歩いて行った。 栗栖は迷っていたが、俺についてきた。 「栗栖、お前は向こうに行ってな」 これから起こる事は、十中八九ろくでもない事だ。 離れるように言った。 「大丈夫っす、言ったでしょ、俺はどこまでも若について行くって」 しかし、栗栖は俺のそばから離れようとしない。 そこまで言うなら、大丈夫だろう。 「タクト、てめぇでずってみな」 武田の声がして目を向けたら、タクトは片手で自分のナニを握った。 毛が疎らに生えているが、ナニは綺麗な肌色をしている。 タクトは俯いて手を動かし、貧弱なナニが硬さを増していった。 「そうだ、それでいい、客に見て貰うのも、サービスだからな」 武田は馬鹿な事を言ってるが、タクトを見て自分が興奮しているようだ。 タクトのそばに座り込み、痩せた体を撫で回している。 だが、片手になにか握っているのがチラッと見えた。 何かと思って凝視していると、指を動かしてカチッと小さな音がした。 「うっ……、んんんー」 すると、突然タクトが体を強ばらせて呻き、手を止めてそのまま固まった。 「ふっふっ……、中も感じ始めたようだな、いいぞ、お前はガキ程じゃねぇが、それなりの値で売れる」 武田はニヤニヤしながらベッドにあがり、タクトを抱えて四つん這いの体勢にさせた。 「ぐっ、んんっ!」 タクトは苦しげに呻いているが、武田は自分の方へ尻を向けると、痩せた尻たぶを開く。 「へっ、さっき風呂場で仕込んどいたからな、媚薬も注入済みだ、こんなひ弱な体をしていても、ちゃんと感じるんだぜ、な、鷲尾さんよ~、どうだ? 興奮するだろう」 武田は俺らに見えるように尻の向きを変えた。 淡い色をした局部からコードが垂れているが、どうやら浴室で媚薬とローターを仕込んだらしい。 「んっ、んっ、んっ」 タクトの声色が変わった。 体をピクピクさせて息を乱している。 ローターの刺激で射精したようだが、媚薬のせいで感じやすくなってるんだろう。 「もういきやがった、へへっ、よーし、じゃ俺が最初に入れてやる」 武田はズボンをゴソゴソやってナニを取り出したが、てめぇが1番やりたかったようだ。 ナニを引っ張りだしてローションを塗りたくり、ローターを乱暴に引っこ抜いた。 「ひぁっ!」 ズボッとローターが飛び出し、タクトは悲鳴をあげて背中を反らす。 「お前は呑み込みが早ぇ、こいつにも……もう慣れただろう」 武田は無理矢理タクトの中に入れようとする。 「んんうっ!」 1度タクトを抱いたと話していたが、ローターとナニじゃサイズが違い過ぎる。 見るからに痛そうだ。 「おい無茶するな……、壊れちまうぞ」 見ていられなくなって注意した。 「っ……」 栗栖は見るに堪えないのか、顔を逸らしている。 「大丈夫だ、十分解してある」 しかし、武田は強引に中に沈めていった。 「ひっ……ひあっ、ああっ!」 どす黒いナニが根元まで埋まり、タクトは勢いよく背中を反らしたが、その拍子にアイマスクが外れて下に落ちた。 「ほらイけるだろ、へへっ、まだ新品同様だからな、なかなかいいぞ、お前らも後で試せ」 武田は俺達に言って尻を掴み、腰を動かし始めた。 タクトは顔をシーツに埋め、突かれる度に呻き声を漏らしている。 見た目からは、感じているのか苦痛なのか判断しずらいが、武田はお構い無しに突き上げる。 華奢な体が前後に大きく揺れ動き、成熟した太竿が、音を立ててタクトの体内を抉りあげている。 「そろそろ出すぞ、よかったな、今日はちょっとした祭りだ」 武田はラストスパートをかけたが、痩せた腰を掴んで激しく突き上げた。 「あっ、あっ、あっ!」 タクトは下半身が宙に浮いた状態で声をあげているが、苦痛に歪んだ顔ではなく、頬に赤みがさして惚けた表情をしている。 目鼻立ちのハッキリとした可愛い系の顔立ちをしていて、見ようによっては女の子にも見える。 「お~、たまんねぇ」 武田は思い切り打ち込んで止まり、気持ちよさそうにぶるっと体を震わせた。 「若……、次……俺らっすかね?」 栗栖が眉を顰めて聞いてきた。 「だな……」 たった今一部始終を見ても、俺のナニは反応しなかった。 タクト本人は納得しているし、武田にやられて感じているが、俺には残酷に思えた。 「よっしゃ上出来だ、おい、お前らの番だ」 武田はすっきりした顔でナニを抜き去ると、後始末をしながら言ってきた。 「タクト、次は客だ、起きろ」 それからタクトを抱き抱えてベッドに座らせた。 「お前ら、なにやってる、ベッドに上がれ」 「お、おお……」 行くしかなく、ベッドに上がってタクトのそばに腰をおろした。 栗栖もついてきたが、ベッドにあがろうとはせず、端っこに座った。 「なんだ、栗栖はこねぇのか、ま、いいわ、若が先だ、なあタクト、客に何をしたらいいか、教えたよな? それをやってみろ」 武田はタクトに言ったが、こいつは本当にこんな風に調教するのが好きなようだ。 「はい……」 タクトは小さく返事を返し、俺の前にやってきて座った。 一体何をするつもりなのか何となくわかり、背徳心が疼いたが、その一方で邪な好奇心がチラッと顔を覗かせる。 タクトは膝立ちして俺に抱きつくと、顔を寄せて唇を軽く吸ってきた。 おそらく、ファーストキスは武田になってしまったに違いない。 武田に目をつけられた事に同情したが、唇が僅かに震えている。 俺は見知らぬ相手だし、きっと怖いんだろう。 なのに、体を張って借金を返そうといる。 いじらしくなり、思わず背中を抱いた。 痩せた体を両腕で包み込んでやると、少し安心したのか震えが止まった。 「お客……さん……」 タクトはキスをやめて俺を見つめて言う。 「ん、なんだ?」 「あの……口で……」 何か言おうとして、恥ずかしそうに俯く。 「フェラするって言え」 武田が偉そうに命じた。 「お客さん、フェラします」 タクトは言われた通りに言ってきた。 「あ、ああ……」 返事をしたら、俺の前にかがみ込んでズボンの前を開けていく。 手つきは不慣れな感じだ。 緊張した様子でナニを取り出すと、萎えた竿をパクリと頬張った。 「う……」 ナニが口の中に取り込まれ、暖かな感触に背中がぞくりとした。 「へっ、それも俺が教え込んだんだ」 武田は得意げに言ったが、ナニが刺激に反応して起き上がってきた。 タクトは口が小さく、深く咥え込むのは辛そうだ。 主に先端をしゃぶっているが、舌を一生懸命動かしている。 「くっ……」 たどたどしいやり方がかえって堪らない。 「ふっ、悪くねぇだろう、鷲尾、お前、タチもできるよな? タクトを突いてやれ、タクト、座位だ」 武田が指図すると、タクトはフェラをやめて起き上がり、そこらに転がるローションを手に取った。 俺はただ見ているしかなかったが、ローションを自ら局部に塗りたくっていく。 それが済んだら俺に抱きついてきたので、足を崩して抱いてやった。 タクトは自らナニを掴んで入れていったが、不慣れな為かゆっくりとやっている。 「一気に腰を落とせ」 武田はいちいち指図し、タクトは腰を一気に落とした。 ナニがキツキツの輪っかに咥えられ、強烈な締め付けが襲いかかってきた。 「っ、こりゃ……」 痛いほどの締め付けを感じる。 「あっ、はあ、お客……さん」 タクトは感じているらしく、ナニを根元まで咥え込んでうっとりと目を細めた。 「タクト……、お前、本当に気持ちいいのか?」 あんなに怯えていたのに、本当に感じているのか気になった。 「い、いい……です、あっ、あっ」 タクトは虚ろな目をして俺の肩を抱き、体を上下に揺らし始めた。 「へへっ……、媚薬だけじゃあれだからな、薬を追加しといたんだよ、ケツん中に仕込んだからな、今頃効いてきやがったか」 武田はやっぱり薬を使っている。 「薬はやめろ、大人しく従う奴に使うのは、いくらなんでもやり過ぎだ」 「あのな、女を落とす時にも使うが、ウリも同じだ、薬を使や、喜んで淫乱化する」 奴は当たり前のように言ったが、俺は薬を使うのは反対だ。 武田とああだこうだと話していたら、その間にタクトは狂ったように腰を振りだした。 「ふあっ、ああ、あっ!」 ナニがギチギチに締め付けられ、擦れて痛い。 「タクト……、おい、ちょっと待て」 抱き締めて強引に動きを止めた。 「ハア、ハア、お客さん、突いて、お願い、イキたい、イかせて」 タクトはガチで淫乱化しているらしく、俺の首を抱いてせがみ、唇を重ねてきた。 さっきとは違い、無遠慮に唇を吸ってくる。 「うっ、んう……」 根元がぎゅうっと締め上げられ、ナニがビクビク脈打ち始めた。 「んあっ!い、いい……これ、いい」 タクトは腰を揺らしてナニを奥に取り込んだ。 息を荒らげ、半開きの口の端から涎を垂らしている。 タクトのナニがダラダラと半透明な汁を垂らし、俺のズボンを濡らしていった。 「っ、はあ、はあ」 こんなやり方は好きじゃないが、タクトを抱いて快楽に浸るしかない。 「どうよ、いいだろう、俺の見立てに狂いはねぇ」 武田はドヤ顔で自慢げに言う。 「あのよ~、今回は付き合ったが、そう度々はごめんだ、あんまり派手にやらかしたら親父にバレちまう」 俺はこれ以上付き合わされるのはゴメンだ。 「わ、若ぁ~!」 武田に次は無しだと言おうとしたら、栗栖がいきなり肩をガシッと掴んできた。 「あぁ"? 栗栖、なんだ、やりてーのか、焦らなくても次はおめぇがヤレ」 武田は呑気な事を言ったが、多分違う。 「俺は要らねぇ、若、早くそいつを離してください」 栗栖は、俺がタクトを抱くのが耐えられないらしい。 「わかった、今離す……、ちょっと待て」 栗栖に言ってタクトを抱きかかえ、ゆっくりと仰向けに寝かせた。 ナニを引き抜くと、タクトは小さな声を漏らして身を捩ったが、ぼんやりとした表情で宙を見つめている。 「ああ~? ひょっとしておめぇ、嫉妬か? おおそうか、そういや……AV撮った時に散々イチャついてたな、なははっ! お前、そこまで好きなのか?」 武田はようやくわかったようだが、面白がって笑い飛ばした。 「武田さん、あなたに笑われる筋合いはねぇ、若は嫌々付き合ってるだけで、ほんとはこんなこたぁやりたくねぇんだ」 栗栖はマジな顔で武田に言った。 「ほお、お宅らはあめぇんだよ、闇金で金を借りる奴ぁ、大抵ろくでなしだ、ギャンブルに酒、女、てめぇの欲を満たす為に金を使い込み、まともなとこは貸してくれなくなって闇金に手を出す、たとえ高利貸しでも貸してやるだけありがてぇ事だ、返せねぇからって、土下座して謝ったとこで金は回収できねー、だからこうして回収する、これが確実だからな、つべこべ言わず、お前もやれ」 武田は自分らの正当性を主張し、栗栖にヤルように迫る。 「い、要らねぇ……、若が付き合ったんだ、もういいだろう」 栗栖は拒んだが、そりゃ……栗栖には荷が重すぎる。 全身刺青だらけでも、栗栖は弱い者を虐めるのは嫌いなたちだ。 「武田、栗栖は勘弁してやってくれ、こいつにはできねー」 俺からも頼んだ。 「おい、そうはいかねぇぞ、タクトを客に慣らすいい機会だ、たったひとりじゃ足りねぇ、おう栗栖、若にやらせといて、おめぇは楽をしようって言うのか?」 しかし、武田は痛いところを突いてくる。 「そんなんじゃ……」 栗栖は力なく答えたが、そういう事なら仕方がない。 「おい、だったら俺がもういっぺんやる」 俺が栗栖の分もやってやる。 「若~! そ、 それはダメです!」 だが、栗栖が猛反対する。 気持ちは分からなくもないが、そうでもしなきゃ武田がうるさい。 「しかし、一応約束したからな、やらなきゃ仕方ねぇ」 「そりゃ……、でもだめっす!」 なのに、頑なに駄目だと言い張る。 「あのな~、ちょっとくらい我慢しろ」 「無理っす!我慢できない!」 「栗栖……」 「こらぁ、お前ら~っ! グダグダやるんじゃねぇ!」 どうしたもんかと困っていたら、武田がイラついて怒鳴ってきた。 「栗栖、若がタクトを抱くのが嫌なら、お前が抱け、そのくらいできるだろ、それともAVを晒されてぇか?」 武田はAVを出して脅した。 「っ……、わ、わかりました……、やりゃあいいんだろ、やりゃあよ~」 栗栖は投げやりに言うと、上着を脱いでベッドに上がってきた。 俺はひとまず自分のナニをしまい込んだ。 「くっ……、こんな奴をやるのか?」 栗栖は膝をついて座ると、タクトの顔をじっと見つめて言った。 「さっき若がやったじゃねぇか、おめぇ見たんだろ? タクトは馬鹿みてぇに感じてた、へっ、薬のせいで……ってのもあるが、俺が慣らしたんだよ、こいつはこの先客をとる、下手な同情をするな、どのみちこいつを救えるわけじゃねぇんだからな」 武田は厳しい事を言ったが、確かに奴の言う事も間違っちゃいねぇ。 つめてぇようだが、俺らからすりゃ、所詮他人事だ。 「そんなのはわかってる、ただ、人としてどうなんだ? あんたにゃ罪の意識はねぇのか」 「っははっ! お前、何言ってる、俺達のような稼業で人として? そんなもん、端からねぇよ、俺らは世間じゃ嫌われ者のゴミだ、人として扱われてねぇのに人のふりをする意味はねぇ」 「そりゃそうかもしれねぇ……、だけど……俺はたとえ世間がどう思おうが、こんな事をやるのは抵抗がある」 栗栖は反論したが、何を言っても武田には通用しないだろう。 「お客さ~ん……」 2人が揉めていると、タクトがよろつきながら起き上がり、栗栖に抱きついてキスをした。 「ふっ……!」 栗栖は目を見開いて驚いた。 けれど、キスされちまって諦めたのか、それとも腹を据えたのか……その辺りはよく分からねぇが、タクトの体を支えるように抱いている。 「やっとやる気になったか、タクト、客にサービスだ、さっきみてぇにしゃぶれ」 武田がタクトに命じると、タクトは顔を離して屈み込む。 「な……、あ……」 栗栖は戸惑っているように見えたが、足を投げ出して座り直し、タクトは頭をグラグラ揺らしながらズボンの前を開いていった。 ゴソゴソとやってナニを引っ張り出したら、がっつくように頬張る。 「うっ……」 栗栖は肩をピクリと震わせたが、ベッドに手をついてタクトを見ている。 萎えたナニは見る間に張りを増していき、タクトは咥えきれなくなって先端だけ舐め回した。 「ほお~、こないだは墨に目がいって気づかなかったが、栗栖、おめぇ、随分立派なモノを持ってるじゃねぇか」 武田はあぐらをかいてベッドのヘッド部分に寄りかかっているが、栗栖のナニを見ながらタバコに火をつけた。 煙を吐き出してタクトがフェラする様子を眺めている。 「タクト、その客はデカいぞ、そいつで突いて貰や、堪らねぇぞ」 武田はタクトに話しかけたが、タクトは夢中でナニをしゃぶり倒している。 「っ、くっ……」 栗栖は罪の意識を感じているに違いないが、体は勝手に反応する。 口を引き結び、しかめっ面で耐えている。 「しかし……ハンパねぇ大きさのナニだな、そこまででけぇ奴ぁ滅多にいねぇぞ、だてに墨入りじゃねぇな」 武田はタバコを灰皿に押し付け、ニヤついた顔で栗栖のナニを褒めた。 「タクト、ローションをたっぷり塗って跨がれ」 それからタクトに指図し、タクトは操り人形のように指図に従う。 タクトは俺の時と同じようにそこらに転がるローションを拾いあげ、手のひらに出して栗栖のナニに塗りたくる。 ヌルヌルと擦り上げていくから、栗栖は辛そうに体を強ばらせた。 「っ……」 「お客さん……入れる」 タクトはポツリと呟いた後で、座位の体勢でナニをはめていった。 俺の方からはよく見えないが、太竿がタクトの体内をこじ開けるのは容易に想像がつく。 「あっ、あっ、凄い……」 タクトは腰を沈めながら、体をビクつかせている。 「へっへっ、こいつはいいや」 武田はいつの間にか手にスマホを持っていて、2人の後ろに屈み込んで局部を映し始めた。 「うっ、ううーん!」 だが、タクトは苦しげに呻き、動きを止めてしまった。 そりゃ……まだ初心者級の体だ。 栗栖のナニはさすがにキツいんだろう。 「おいタクト、何してる、さっさと動け」 なのに、武田は酷な事を言う。 「く、苦し……、ハァハァ」 タクトは息を乱して栗栖の肩にしがみついている。 「ちっ、仕方ねぇな、ちょっと待ちな」 武田は舌打ちしてベッドから降りた。 棚の前に歩いて行くと、引き出しから何か出して戻ってきた。 「ふっ、こいつを追加すりゃ弾け飛んじまう」 手に持っているのはポンプだ。 「おい、よせ、大量に使ったら死んじまうぞ」 短時間に多用するのは冗談抜きでヤバい。 武田に向かって言った。 「そんなこたぁわかってる、ちゃんと量を調整してある、ようしタクト、腕を出せ」 けど、奴はタクトのそばに行ってしゃがみ込んだ。 「ハァハァ、は……い」 タクトは苦しげに息をしながら腕を出す。 「おい、やめろ! そんなもんを使うな」 栗栖が片手を伸ばして阻止しようとした。 「心配すんな、お前のがデカすぎんだよ、こいつを使わなきゃヤレねぇんだ」 しかし、武田はタクトの細い腕に薬を入れてしまった。 「よし、これで苦しくねぇ筈だ」 武田はやる事をやったらベッドからおりた。 「タクト……、おい、大丈夫か?」 栗栖は心配そうに顔を覗き込み、タクトに声をかける。 「ハァハァ……、あ、ははっ、お客さん、優しい……好き」 タクトはハイになってニヤニヤ笑いだし、栗栖に抱きついて体を揺らし始めた。 「んっ、あっ、あん、凄い」 あんなに苦しげにしていたのが嘘みたいに、自ら腰を振っている。 「あっ、あっ、イク、イク~っ!」 タクトは周りなど目に入ってないらしく、狂ったように体を上下させる。 痩せた体がしなやかにくねり、局部からぬちゃぬちゃと音がしている。 「へへっ、スケベなガキだぜ」 「っ、タクト……そんなに動いたら……もう」 俺でもキツかったが、栗栖はデカいだけに堪らないんだろう。 タクトを抱きしめ、グッと突き上げて止まった。 「お~、イキやがったな、こいつはいいわ、ナニを思いっきり呑み込んでやがる」 「あっ、ああっ、お客さんのが……お腹の中で暴れてる、ハァハァ……気持ちいい」 タクトは逝っちまった目付きで口走り、栗栖の肩に顔を預けて快楽に浸っている。 「すまねぇ……」 栗栖はタクトを抱いて謝罪した。 致し方なく……とはいえ、胸が痛むんだろう。 武田はその様子をスマホで撮影していたが、顔は映してないので、まぁいいだろう。 栗栖が事を終えてタクトをベッドに寝かせたら、俺は武田からタオルを借りて汚れた箇所を拭っていった。 着衣のままやったせいで、スーツに体液がついている。 栗栖も汚れを拭ったが、2人共タクトを抱いたんだ。 これで約束は果たした。 「武田、タオル、ここに置いとくぜ、じゃ、俺らは帰る、約束は守れよ」 借りたタオルをベッドの端に置いて言った。 「ああ、2人共なかなかよかったぜ、楽しめたわ、あのよ、俺んとこは趣味が合う奴がいなくてな、お前ら気に入った」 武田は楽しめたらしいが、俺らは好きでやってるわけじゃない。 「そんなによかったのか? だとすりゃ来た甲斐があった……って事になるが、言ったじゃねぇか、親父にバレたらマズい、たった今お前の趣味にも付き合ったんだ、これでチャラにしろ」 奴がすんなり納得するか分からなかったが、俺が言った事は間違っちゃいねぇ。 「いいや、駄目だ、これからも俺に付き合え、そうすりゃAVは永久に封印してやる」 武田はどうしても俺らに参加させたいようだ。 「栗栖、どう思う?」 俺が話をしても堂々巡りになっちまう。 ここは敢えて栗栖に聞いてみた。 「はい、俺はこういう趣味はねぇ、やりたくはねぇが、武田さん、どうしてもって言うなら条件がある、薬を使うのをやめてくれ」 栗栖も武田がすんなり諦めるとは思ってないんだろう。 奴のいう事をきく代わりに、条件を出した。 「そうだな、わかったよ、薬はやめる、なら……鷲尾さんよ、OKするんだな?」 武田はあっさりやめると言った。 「ああ、それなら、渋々だが……わかった」 こんな事やりたかねぇが、薬の使用をやめると言ったぐれぇだ。 武田はマジで趣味に付き合ってくれる仲間を欲しているらしい。 そこまでしてやりてぇっていうなら、仕方がねぇ。 AVを永久に封印する為だ。 奴の遊びに付き合うしかねぇ。
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