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この8では、男女18〇とBL18〇を同時に描写します。 男女が入るので苦手な人はご注意ください。 ………………………… ◇◆◆◇ あれから武田から連絡があり、金曜日の夜、武田が指定したクラブに行く事になった。 いざ当日になり、俺は栗栖と秋庭を連れてクラブに向かった。 運転手は下っ端がやっているが、栗栖も秋庭も酒を飲むつもりはない。 店に到着して店内に入ると、20人位入れるような店だった。 薄暗く、スポットライトのみで店内を照らしている。 いかにも怪しげな雰囲気だ。 ママは和服を来た美人で、店にはドレスを纏った若い女が数人いるが、確かにみなスタイル抜群の美形だった。 客が俺らしかいないし、多分そうだとは思ったが、武田は今夜は貸し切りだと言う。 店内にはL字型のソファーとその向かい側に小さめなソファー、真ん中にテーブルというボックス席がいくつかあり、よく見れば徳真会の幹部があちらこちらに分かれて座っていた。 武田に席へ案内され、俺らは奴と同席し、L字型のソファーに3人で横並びに座った。 徳真会の幹部は俺らの所にはやって来ず、俺達の席にいるのは武田だけだ。 早速注文をしたが、俺も今夜は酒を控える。 予め飲まないと話していた事もあり、武田は強く勧めては来なかったが、早速俺の隣に若い女を座らせた。 女が座った向こう側に栗栖と秋庭が座っているが、武田は俺達にひとりずつ女をつけたいらしく、栗栖と秋庭の隣にひとりずつ女を座らせた。 高級クラブだけに皆品のいい女達だが、ここは徳真会がケツ持ちする店だし、見てくれに騙されちゃ駄目だ。 警戒心を抱きつつ、武田を交えて女と会話を交わした。 栗栖と秋庭も、隣に座る女に話しかけられていたが、2人共素っ気ない態度をとっている。 女は当たり障りのない話をしていたが、武田はニヤニヤしながら下ネタを口にする。 場末のBARじゃあるまいし、通常こういう高級クラブでは下ネタは控えるものだが、ここは奴らの店も同様だ。 そのせいか、女達も笑顔で受け答えをしている。 「若、すみません……」 栗栖が軽く頭を下げて俺に話しかけてきた。 「ん?」 「あの……秋庭が」 秋庭は栗栖と女の向こう側に座っているが、身を乗り出して見てみると、なんだか様子が変だ。 烏龍茶を飲んでいるのに、酒に酔ったように頭を左右に揺らしている。 「おい秋庭、どうした」 秋庭に声をかけてみた。 「ああ……若、なんだか知らねぇが、頭がクラクラしやす」 額に手をやって怠そうに言ったが、明らかにおかしい……。 こりゃ、武田の奴が薬を盛ったに違いねぇ。 「やだ、大丈夫かしら……、ね、奥に仮眠室があるの、そこで休みましょ」 女はバックヤードに連れて行くつもりらしいが、そうはさせねぇ。 「ちょい待て、介抱するならここでやれ」 「おい、なに疑ってんだよ、具合がわりぃなら、裏で横になりゃいいだろ」 武田が白々しく言ってきたが、となると……俺もヤバい。 うっかり飲んじまった。 そういや、さっきから頭がぼんやりする。 「栗栖、出よう……、おい武田、今夜は調子がわりぃ、せっかくだが帰らせて貰うぜ」 栗栖に命じ、向かい側に座る武田に言った。 「おいおい、なに言ってやがる、気分がわりぃなら、遠慮するな、ソファーでも構わねぇ、寝かせてやりな」 武田はひきとめようとしてくるが、こんな所で寝たりしたら何が起こるかわからない。 何気なく栗栖のグラスを見たら、栗栖だけは口をつけていなかった。 さすがだ。 つーか、助かった。 「いや、いい、秋庭は連れて帰る、栗栖、行こう」 「おい、待てよ」 武田は立ち上がってこっちに歩いて来たので、俺も腰を浮かせた。 「鷲尾、お前もふらついてるじゃねぇか、な、ほら、座れ、そう焦って帰るこたぁねぇだろ」 いけしゃあしゃあと言ってくるが、もう我慢ならねぇ。 「お前……、俺らは酒を一滴も飲んじゃいねぇ、こりゃ……薬だろ」 「ふっ、馬鹿な事を言うな、そんな事より……、ほら、横になって休め」 だが、何か腹積もりでもあるかのようにニヤついて俺に手を出してくる。 「ちっ……、さわんじゃねぇ!」 ムカついて奴の体を押し返したが、よろけて後ろに倒れそうになった。 「若!」 栗栖が背後から支えてくれた。 「んん、補佐の栗栖か、おめぇはなんともねぇんだな、ふっ……、用心ぶけぇ奴だ」 武田は栗栖のグラスを見てニヤリと笑ったが、栗栖だけ飲んでいない事に気づいたようだ。 「武田さん、俺は若と秋庭を連れて帰る、せっかくの招待ですが、退散させて頂きます」 栗栖は薬の事には触れず、あくまでも立場を弁えた物言いをする。 「ふふふっ、仕方がねぇ、おい、お前ら、栗栖にもアレを振舞ってやれ」 武田は周りにいる幹部連中に命令した。 遂に本性を表しやがった。 周りにいる奴らが一斉に栗栖に向かってきた。 「やめねぇか……、栗栖に手ぇ出すな!」 栗栖の前に出て体を張って庇った。 「カシラぁ、邪魔しないでくださいよ」 幹部のひとりがニヤニヤしながら言ったが、手になにか持っている。 「うるせぇ! 俺らを引き止めてなにをするつもりだ」 おかしな薬を使って、ろくでもない事を企んでるに違いない。 幹部の胸ぐらを掴んだ。 「おっと、俺らは手ぇ出しちゃいねぇ、なのに殴るおつもりで?」 だが、幹部の男は余裕の表情で言う。 「くっ……、とにかくやめろ! 栗栖に近づくな」 胸ぐらから手を離し、奴の胸板を押した。 「ほおーアレか、師弟愛か? 感動もんだな、なあ鷲尾さんよ、そうカッカせず、こっちに来な」 しかし、武田が背後に回り込んで俺を羽交い締めにしてきた。 「くっ! クソ、離せ……」 体に力が入らず、払い除ける事が出来ない。 「んにゃろーっ!」 栗栖が自分に掴みかかってきた幹部を殴った。 「やりやがったな、おう、やっちまおうぜ」 殴られた幹部は仲間に目配せし、周りにいた奴らが栗栖に襲いかかった。 「く、くそー、秋庭ぁ! てめぇしっかりしろ!」 腕っぷしの強さで秋庭を選んだのに、すっかり薬が回ってしまったらしく、秋庭はソファーに倒れ込んで動かない。 「わ、若ぁ~、やべぇっす……」 顔だけ動かして言ってきたが、女に膝枕をして貰い、うっとりとした顔をしている。 ーーーこの役立たずが! 「うぐっ!」 栗栖は羽交い締めにされ、殴った奴に腹を殴られた。 「オラァ、効いたかコラァ!」 「う"っ!」 続けてもう一発、今度は顔を殴られて口の端から血が滲んだ。 「やめろ! 丸腰の相手をよってたかって……このクズ共が!」 怒鳴ったが、奴らは俺を無視して栗栖を殴っている。 このままじゃ、栗栖は袋叩きにされちまう。 「くっ……! 離せ!離しやがれ!」 根限り藻掻いた。 「無駄だ、見なよ、秋庭は気分良さそうじゃねぇか、なあ鷲尾さん、あんたがおとなしく従や、栗栖をボコすのはやめてやる」 武田は俺の首を腕で締めつけて耳元で言ってきた。 こいつの言う事を聞くのは悔しいが、栗栖が目の前でボコされるのを……黙って見ていられる筈がない。 「わかった……、聞きゃあいいんだろ、その代わり……栗栖をいためつけるのはやめさせろ」 「よーし、わかった、おいお前ら! そこら辺でやめとけ」 武田は幹部連中に向かって叫んだ。 「へい」 幹部連中はおとなしく指示に従ったが、そのうちのひとりが手に持った怪しげな物体を栗栖の口に近づける。 よく見たら茶色い小瓶だ。 「あぐっ……、ううーっ!」 栗栖は顔を逸らしたが、羽交い締めにされたままだし、顎を掴まれて怪しげな液体を無理矢理飲まされちまった。 「武田、俺らに……なにを飲ませた」 多分、俺や秋庭に盛った薬だろう。 一体なんなのか気になる。 「言っただろ? 気分がよくなる薬だ、特別な客だからな、特別な待遇をしてやる、来い」 「な、なんだ、どこに連れてく」 武田は不穏な事を口にすると、俺の腕を後ろに捻り、自分のネクタイを外して俺の両手首を縛った。 俺達3人は、武田と幹部連中に引っ張られ、店の奥へと連れて行かれた。 バックヤードの廊下を歩いて行ったが、武田は2つ目のドアの前で足を止めた。 「中に入れ」 背中を押されて部屋の中に入ったら、靴を脱げと偉そうに言ってくる。 ムカついたが、靴を脱いで部屋に上がった。 俺の後から栗栖と秋庭、幹部連中が上がってきたが、俺は部屋の中を見回した。 ありがちなソファーにテーブル、なんの変哲もないただの部屋だが、窓際に置かれたベッドはキングサイズ以上のかなりデカいやつだ。 「ふっ、いい映像を期待してるぜ」 武田がボソッと呟き、幹部のひとりが前に歩み出た。 手にはビデオカメラが握られている。 そして店にいた若い女が3人、すっと俺らのそばにやってきた。 これはまさか……。 「お前……、俺らを使ってAVを撮る気か?」 「よくわかったな、女と好きなだけやれるんだ、おい、カシラにサービスしてやれ」 やっぱりそうだったが、武田は女に向かって言った。 「はい、若、コチラへ」 女は俺に寄り添って腰に片手を回してきた。 「おい、冗談抜かすな、誰が……」 AVなんか撮られてたまるか。 「手間ぁかけさせんなよ、ったく……、おい、こいつらを裸に剥け」 武田は面倒臭そうに幹部達に命じた。 「へい」 「くっ……、やめろ!」 「わ、若……!」 俺達は有無を言わさず、寄ってたかって全裸に剥かれた。 「お~、栗栖は墨入りか、こいつは見応えがある」 武田は栗栖の墨を見て言ったが、その間に女が俺らの前に1人ずつ跪き、何の前置きもなくいきなりフェラし始めた。 「お、おい……、やめろって……」 俺はさっき全裸に剥かれた時に拘束を外されていたが、足元がよろついて女の露出した肩を掴んだ。 「この女は上玉だぞ、しゃぶるのも上手い」 武田は屈み込んで女がやるのを見ている。 「う……、や、やめろ、この感じ……媚薬だな」 薬のせいなのか、気持ちとは裏腹に異様に昂ってくる。 武田が言った通り、女は手慣れたやり方で竿をしゃぶっているが、ナニがぐんぐん張りを増していった。 「うう、わ、若……」 栗栖の呻き声を聞いて隣を見たら、羽交い締めにされた状態で俺と同じように女にやられている。 異様な光景だ。 秋庭も同様だが、奴は早くから薬が効いてるせいか、気持ちよさそうな面をしてやがる。 「おあ~、こんなべっぴんに、こりゃ……た、堪らねぇ」 秋庭は女の頭を押さえ付け、情けねぇ面で腰を揺らし始めた。 「こりゃ催淫剤だ、やりたくてナニがうずうずしてくる、秋庭は素直に感じてるだろ? おい、よーく撮っとけよ」 やはりそういう類の薬だったが、武田はカメラを持つ幹部に指図した。 「っの……、お前が特別待遇だと言うなら、ヤルのは仕方ねぇ、けど……AVはやめろ、映すな」 映像が残るのはマズいなんてものじゃない。 こんなものが流出したら赤っ恥だが、なによりも、奴がこれをネタに俺をゆすらない筈がない。 「心配するな、ほら、ベッドに行って好きなだけやれ」 武田は薬を飲んじゃいねぇ筈だが、女がフェラするのを見て興奮したのか、上気した顔で言った。 女はしゃぶるのをやめてスっと立ち上がり、俺の腕を掴んできた。 「行きましょ」 「いや、待て……」 このままベッドで事に及べば、飛んで火に入る夏の虫だ。 まんまと武田の罠にハマっちまう。 「いいから行くんだよ!」 動かずにいたら、武田が肩を掴んできた。 足がもつれて転けそうになりながら、嫌々ベッドに連れて行かれた。 気怠く痺れた体がベッドに投げ出されると、女はすぐにドレスを脱いで下着姿になった。 張りのある白い肌にくびれた腰、豊満な胸はブラからはみ出しそうだ。 それを見ただけで股間が熱を帯びてきたが、ベッドがデカい理由がわかった。 栗栖と秋庭も幹部らに連れて来られたが、付き添う女2人も手早くドレスを脱いでいく。 俺の相手と同じく、美人な上に肉感的な体をしている。 女達は俺達それぞれに覆いかぶさってきた。 柔らかな肌がじかに触れると、股間がビクリと反応した。 俺に被さる女は片手でナニを扱きながら、胸板にキスを落としていく。 赤い唇が肌に触れて擽るように肌をなぞり、ぬめる舌が乳首を捕らえて蠢いている。 マッパで薬の効いた体で武田に挑みかかったとしても、返り討ちにあって無様な姿を晒すだけだ。 それよりも、異様な昂りが制御出来ない位膨らんできた。 女は指の腹で先端を撫で回す。 「はあっ、くっ……」 悔しさも怒りも、制御不能に陥った体が打ち消していく。 体は極限まで飢えた状態だ。 ご馳走を目の前にして我慢できるはずがないが、俺は込み上げる衝動を抑えて女とヤルのを避けた。 「ふふっ、好きにしていいのよ」 女は俺の頬に片手を当ててにっこりと微笑んだ。 「はあ、はあ……」 それが突破口になりそうになったが、歯を食いしばって耐えた。 俺に試練を与えてくるのは女だが、これは自分自身との戦いだ。 甘い喘ぎ声を耳にしながら苦悶していると、仰向けに寝る秋庭の上に女が乗って腰を揺らしていた。 栗栖は苦しげな面をして女にフェラされているが、秋庭は腰を突き上げて体を硬直させた。 「あぁん……!」 女はビクッと震え、前に倒れ込んで秋庭にキスをした。 秋庭は目も虚ろに女を抱いている。 「おお、いいぞ、いいアングルだ、美味しいとこがばっちり映るだろ」 武田がゲスい事を言ったが、奴はベッドのわきに座って俺らを見て楽しんでやがる。 カメラマンと化した幹部は、忙しく動いて秋庭と女の絡みを撮影中だ。 「この……変態が……」 呆れ返る心境でぼやいたが、俺の上に女が乗って来ようとする。 「やめろ!」 俺は僅かに残る理性をフルに働かせて女を突き飛ばした。 ナニはまだ起立したままだが、まんまと武田の罠にハマるのは我慢できねぇ。 栗栖も同じらしく、必死で女の攻めから逃れようとしている。 但し、秋庭だけは猿みてぇにやりまくり、それをしっかり撮影されていた。 俺は盛りのついた秋庭なんかどうでもよく、栗栖が気になった。 「栗栖……」 「若……、退け!」 名前を呼んだら、栗栖は女を突き飛ばした。 「きゃっ」 なんだかわからないが、異常な状況下だし、とち狂って女に乱暴でもしたら面倒だ。 俺はふらつきながら女から離れ、這いつくばって栗栖の方へ手を伸ばした。 「栗栖……、女を……殴るな」 「若、俺、我慢できねー」 ひとこと注意したら、栗栖は切羽詰まったように言ってガバッと抱きついてきた。 「お、おい、栗栖……」 俺はびっくりして慌てた。 「若……」 だが、栗栖は赤らんだ顔で俺を見つめると……いきなりキスしてきた。 「んっ……んんっ!」 マジかよ……。 武田が見ているし、ビデオカメラで撮影中だ。 焦って引き剥がそうとしたが、逆にベッドに押し倒されてしまった。 「お、お前……よさねぇか」 上に被さる栗栖に向かって、真剣な顔で訴えた。 「俺は……女なんかいらねぇ、若、あんたが欲しい」 薬のせいで昂ってるらしいが、どうやら女じゃなく……俺に意識が向いたようだ。 「ちょっ、待て、落ちつけ……」 女との絡みを撮られるだけでもマズいのに、こんなところで関係がバレるのは……マズいなんてもんじゃねぇ。 「おお~っ! お前ら……、そういう関係だったのか? なははっ! マジかよ~、補佐に組み敷かれてんじゃねぇの、鷲尾さんよ~、水くせぇじゃねぇか、そっちのけがあるなら、そう言ってくれりゃ、女じゃなく、適当な男をみつくろってやったのによ~」 思った通り、武田がゲラゲラ笑って言った。 「栗栖、な? わかるよな、退いてくれ」 とにかく、栗栖をなんとかしなきゃ益々窮地に追い込まれる。 敢えて優しく言ってみた。 「すみません……、俺……今は従えません」 けれど、栗栖は体重をかけてのしかかり、首筋にキスをしてくる。 「わかった、わかったから……場を弁えろ、マズい」 押し退けようとしたが、体はだらしなく脱力していて、ガタイのいい栗栖を退けるほどの力が出ない。 「マズくはねぇぞ、ほおー、栗栖はお前に惚れてるらしいな、鷲尾、お前は受ける側か?」 武田はすっかりそういう関係だと思い込んじまったらしい。 いや、実際そうなんだが……武田にバレるわ、撮影されるわじゃ、分が悪いにも程がある。 「違う……、そんなんじゃねぇ、こっちにも色々事情があるんだ」 俺はこいつを補佐として可愛がっている。 あくまでもそれで貫き通したい。 「事情ね~、そのわりには栗栖はやる気満々じゃねぇか」 「く、栗栖……、もうよせ、わかるだろ? 撮られてるんだ」 栗栖は闇雲に肌を貪り、興奮気味にナニを擦りつけてくる。 ナニとナニが擦れ合い、ピンチだと言うのに……ナニが張り詰めてきた。 「若……、俺は女じゃなく、若でイキてぇ」 栗栖は……薬で昂って抑えが効かないらしい。 さっきまで女に咥えられていた事も、欲望が暴走する原因になったんだろう。 「兜合わせか、へっ、いい映像が撮れそうだ、おい、しっかり撮れよ」 武田はカメラマンに命じた。 「へい、わかっておりやす」 カメラマンはベッドの上で俺達を撮影している。 「や、やめろ……」 撮影も栗栖も、どっちもとめたかったが、組み敷かれてどうにもならねぇ。 「カシラ、あの……、女が暇そうなんで、俺、やっちまっていいっすか?」 奴らの幹部のひとりが武田に聞くのが聞こえた。 「ああ、構わねー、好きにやりな」 気になって武田を見てみると、武田は女とやる事をあっさり許可した。 「やった、へへっ、じゃ早速」 幹部は喜んでベッドにあがり込んだ。 ズボンの前を開けてナニを引っ張り出すと、栗栖に突き飛ばされた女を捕まえ、乱暴に自分のそばに引き寄せる。 「や、いや……、約束が違うわ、あたし達は香田組の人達の相手をするって約束よ」 女は不満げに文句を言った。 「誰だろうが一緒だろうが、お前らは黙って突かれてりゃいいんだよ」 幹部は酷い事を言って軽々と女を扱い、正常位でナニを入れにかかる。 「いや、離して」 女は俺らとやるように言われていたらしいが、話が違うのが不満なのか、やけに拒否して幹部から逃げようとする。 「うるせぇな、こいつらは男同士でヤルのがいいって言ってるんだ、俺が気持ちよくしてやるからよ」 幹部は俺らの事を言って女を突き上げた。 「やあっ!」 女は声をあげて背中をそらしたが、幹部は水を得た魚のように荒々しく動く。 「おお~、こりゃいいわ、へへっ」 女は体をゆさゆさ揺さぶられ、辛そうに顔を歪めている。 「はあ、たまらねぇ、ここんとこ溜まってたんだよな~、もう出るぞ、中にぶちまけてやるからな」 幹部はくびれた腰を掴んで一層激しく動き出した。 「あ、あ、あ、そんな……、だめ~」 女は嫌がる素振りを見せたが、激しく突かれて抵抗出来ないらしい。 幹部は気持ちよさそうに腰を密着させた。 「おー、やっぱいいわ」 「若、よそ見しちゃだめっす! このままイかせます」 女に気を取られていたら、栗栖がキツイ口調で言ってきた。 「お前……」 カメラマンは相変わらずマメに動き回り、それぞれを色んなアングルで撮影しているが、俺らのわきにやって来て股間の辺りを撮っている。 もう今更止めても遅いとは思ったが、こんな場面を撮られるのは嫌に決まってる。 なのに栗栖はディープキスをしてきた。 「フッ……う"……ぁう"」 あまりの激しさに変な声が漏れちまった。 「お~すげー、お前らめちゃくちゃ濃いな、なははっ!」 栗栖は俺の頭を抱き込んでてっぺんを押さえてるから、顔を逸らす事ができず、武田にバカにされながらキスをするしかない。 「栗栖がタチか、しっかしよ~、全身刺青だらけの奴がやると、なんかエロいな、鳳凰か……いい墨だ、それは褒めてやる、やべぇ、俺まで勃ってきたぜ」 武田は馬鹿な事を言っているが、栗栖が腰を動かして上手いことナニをナニで擦るものだから……イキそうになってきた。 つか、息が苦しい……。 「うぐっうっ……! っは、はあ、はあ」 窒息しそうになって必死に押し返して顔を離したが、楽になった瞬間ナニが脈打って射精した。 「んぐっ!」 「若……いったんすね、ああ、若……好きだ、死ぬほど好きだ」 栗栖は俺を抱き締め、耳元で繰り返し囁いている。 「お~お~、どんだけ惚れてんだよ、おい鷲尾、お前、上手いこと手なずけたな、いいぜ栗栖、兜合わせ上手いじゃねぇか、ははっ、お前、随分経験があるんだな、そんな如何にも強面な面ぁしてよ~、男を抱くのが趣味とはな、遠慮はいらねぇ、若にたっぷりサービスしてやれ」 武田はヘラヘラ笑って栗栖を煽ったが、栗栖は好きでこんな事をやるようになったわけじゃねぇ。 何も知らねぇ癖にヘラヘラ嘲笑されたら……ムカつく。 「黙れ、栗栖は俺の子分で弟だ、面白がって茶化すんじゃねぇ、こうなっちまったら……もうどうでもいい、俺はこいつの事を可愛がってる、お前らにゃ一生かかってもわからねぇ事だ」 「なに言ってやがる、そんな甘やかすから嘗められてんだろ、組み敷かれてるのがその証拠だ」 「組み敷かれちゃいねぇ、お前らが飲ませた薬のせいで、栗栖はこうなったんだ」 「へへっ、いいじゃねぇかよ、かてぇ事を言うな」 「あの若……、俺もたまんねぇっす、混ざっていいっすか?」 武田の背後から、別の幹部が腰を低くして話しかけてきたが、幹部らは全部で5人いる。 ふと見れば、さっきベッドにあがった奴は、裸になって引き続き女を抱いていた。 「おお、構わねー、やれ」 武田はまたしてもすんなり許可した。 「へっ、こいつはいいや」 その幹部も嬉々としてベッドにあがると、下だけ脱ぎ捨てて隅っこで縮こまる女を引き寄せた。 「ちょと~、話が違うじゃない」 この女も嫌そうに文句を言ったが、最初にヤラれた女同様、抗えずに幹部に貫かれちまった。 「おいカメラマン、どっちもしっかりと撮れよ」 「はい」 武田はカメラマンに命じ、カメラマンは隣の男女のカップルと俺らを見比べ、隣のカップルを映した。 俺はホッとしたが、女は皆気が強いタイプらしく、自分を貫く幹部を罵った。 だが、結局どうにもならず、その女も幹部にヤラれるしかない。 それから後、俺達は異常な状況下に置かれ続け、その挙句、武田は先にさっさといなくなった。 そろそろ薬の効果がきれ始めたので、撮影だけ済ませてとんずらをこいたらしい。 くだらねぇ乱癡気騒ぎが終わると、栗栖はむくっと起きあがり、ボーッとした目つきで俺を見た。 「栗栖、この馬鹿が……」 つい腹が立って言ったが、俺は何故かやたらと悲しくなった。 「若、すみません……、俺……ほんとすみません」 栗栖は頭を下げてひたすら謝る。 「このっ……、よさねぇか」 イラッときて……抱き締めた。 「ふ……くっ、若、若ぁ~、ううっ、俺」 すると、ガシッと抱きついて突然泣き出した。 「な……、おい、なに泣いてんだ」 まだ薬が残ってるせいだ。 そう思ったが、俺は呆気にとられながら泣きじゃくる栗栖を抱いていた。 秋庭は満足したのか、呑気に眠りこけている。 奴は女とヤリまくるだけで、結局なんの役にも立たなかった。 その女達はというと……ベッドの隅で布団を被って蹲っている。 「おい、奴らに雇われたんだろうが、もう行け、アフターピルでも飲んできっちり避妊しろ」 「はい……」 女のひとりが返事をすると、3人共慌てて服を着て無言で部屋を出て行った。 俺は泣き続ける栗栖を怒鳴りつけた。 栗栖はビクッとして泣き止み、ハッとした顔をした。 どうやら正気が戻ったようだが、俺はとにかく服を着るように促した。 秋庭は頬を叩いて無理矢理起こしたが、奴はまだ寝ぼけてふらついていた。 兎に角、3人共服を着終えたら、この忌まわしい場所から退散する事にしたが……これはマズい事になった。
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