一曲目 よくある始まり

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 次々と疲労困憊で動きも緩慢な盗賊たちを炎を纏った剣で容赦なく撲り倒していくレッカ。そして、遂に残るはゴーレム馬に乗った盗賊のボスと治癒魔法を使う魔道士くずれの男。  レッカは迷わず、盗賊のボスへ斬りかかる。  飛び上がっての上段からの振り下ろし。しかし、盗賊のボスは乗っていたゴーレム馬から飛び退き、ひらりとレッカの剣を余裕で躱す。  そして、腰の剣を抜きつつ地面に着地すると同時に着地した反動を利用して、盗賊のボスはレッカへと斬りかかる。  盗賊のボスが回避した事でゴーレム馬の頭部のみを撲り砕いたレッカ。彼はゴーレム馬の頭部を砕いた勢いのまま地面に着地。  そこへ、盗賊のボスの着地の反動を利用した鋭い突きが迫る。  だが、盗賊のボスの鋭い突きはレッカを貫くことかなわず空を斬る。それと、同時にレッカのショルダーガードが盗賊のボスの腹にめり込み、盗賊のボスを突き飛ばす。  なんと、レッカは地面に着地すると、盗賊のボスと同じく着地の反動を利用して、盗賊のボスにタックルをかましたのだ。  そして、そこからは仕切り直し。レッカ、盗賊のボス、ともに剣技をもっての烈しい打ち合い。  烈しい剣戟にて響くはかん高い金属同士がぶつかり合う音。そして、何度も剣の刃がぶつかり合う中で、相手を殺さないよう剣の腹を使っていたレッカの剣が、本来の使い方でない故に盗賊のボスの剣と一際強くぶつかりあったその瞬間、刃が折れ飛んでしまったのだった。
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