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「──クソがッ!! 小娘ふぜいが舐めたマネしやがって! ヤローども! ぜってーに小娘どもを逃がすな!! 特に小娘の方はひん剥いて嬲り殺しにしてやる!!」
うわ~……、盗賊のボスが激おこ。
わたし、そんな激おこさせるような事したかな?
そんなことを頭の隅で考えながら、馬車の下敷き──幸いにも車輪の間に倒れ込んだ相方を物の運搬に用いる風系の魔法で馬車の下から引っ張り出し、そのまま次の街まで猛ダッシュ────出来たらいいな……。
「──……ゲホッ、ゲホッ……。ざ、残念だった……な、嬢ちゃん」
どうやら、盗賊の何人かがわたしたちの進行方向に回り込み、通せん坊されてしまった。
さてさて、またもや如何したものか?
今現在、相方を移送するのに魔法を行使している為、別個に使用可能な魔法は『力ある詞』だけで発動するような簡易なモノだけ。
ただし、先ほどの瞬灼光を使って盗賊を目潰し為ようにも、自身の荷物で両手が塞がっているためにUV百%カットのサングラスを取り出せず、下手すると自分の目を灼いてしまいかねないので瞬灼光の使用は躊躇われる。
ならば別の魔法を──
「──何、ブツブツ言ってんだ嬢ちゃん? 観念しな!」
──っ!? アウチッ! 万事休す!!
「──おい! 待ちな! そこのクソ盗賊共!!」
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