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「──あん?!」
「──誰だ!」
「──何処から……?」
唐突に朗々と響く声。
その声に盗賊はわたしたちに向けていた注意を先の声の主を探すのに向ける。
「──オイラはここだ!!」
──ボワァアーァァ!!
「──ギャアァー?! アチぃー! 熱ぃッッ!!」
盗賊たちの問いに声の主は応えると同時に自らが立っていた木の太い枝の上から手に持った剣の刀身に纏わせていた火炎系の魔法を盗賊に見舞いながら地面に降り立つ。
「オイラの名は灼焔のレッカ! テメーらのような、か弱き少女をよってたかって襲うような下衆を灼熱の焔で燃やし尽くす男だ!!」
登場早々そう名乗りを上げる声の主。
っていうか、ピンチの時に何処からともなく颯爽と助けに入ってくる人って本当にいるんだ……。
しかし、『灼焔のレッカ』か……。……確か、最近、頭角を現してきた冒険者パーティのリーダーがそう名乗ってるという噂話を前の街で耳にしたけど、彼がその件の人物か。
だとすると、噂話通りならば彼には三人の仲間たちがいるはず。
「──おーい、レッカ、先走りしすぎだー!」
「──そうですよ、身体強化魔法掛けた途端に飛び出して、一人で先行しないでください。ボクたちパーティなんですから!」
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