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ビンゴ! どうやら、レッカの仲間たちが追いついてきたようで、先頭を走るは大盾を持った大柄でガッシリとした体軀の男性。その直ぐ後ろには支援系魔法が得意そうなヒョロッとした魔道士の青年。そして、最後尾を飾るは、
「──もう、「チームワークを大切にしろ!」って言ってる当人が独断専行してどうすんのよ?」
パーティの紅一点の女性。パッと見、彼女も魔道士か。
レッカが放った火焔に巻かれて、いい塩梅に焦げて失神した盗賊を踏み越えて、わたしはいまだ身体が動かせない相方を伴ってレッカを追って駆け付けた大盾を持った男性の後方にそそくさと退避。
「──チッ。いきなりしゃしゃり出てきて粋がるなよ、若造がっ!!」
闖入者の登場に苛立ちを募らせる盗賊のボス。そこへ、
「──さあ、新進気鋭の冒険者の『灼焔のレッカ』さん、薄汚い盗賊どもをその熱き焔で黒焦げにしちゃってください!」
盗賊をコケにしつつレッカを嗾けるわたし。
「ざけンなよっ! 小娘がっ!!」
「おうよ! オイラに任せとけ! こんな連中、あっという間に黒焦げにしてやんよ!!」
盗賊のボスは茹で蛸みたく顔を真っ赤にし、レッカは気を良くして盗賊へと躍り掛かる。
「ちょっと! レッカは調子に乗るとヘマをやらかしかねないから煽てないで!」
「はぁ、さいですか」
「安心しろ、セレナ。オイラはヘマなんてしねーよ!」
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