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「なら、分かってるでしょうけど、盗賊のボスと手下の半数以上は生け捕りにしないと賞金が半額になっちゃうから、殺りすぎないでよ!」
「わーってるよ! だから、こうして剣の腹で撲り倒してんだ!! おりゃ!!」
──バギッ!
「──ギャフッ!」
確かに、レッカは彼自身の言葉通り、剣の腹の部分で次々と盗賊を撲り倒していく。もっとも、彼の手にした剣の刀身にはいまだ炎の魔法が纏ってあるために撲られた盗賊は哀れ火ダルマに……。
「…………分かってないじゃない……。あー、もう!
ターケス、そこら辺に転がってる盗賊たち縛り上げといて。私はレッカのヘマのフォローしてくるから!」
「りょーかい。
いやー、最近は盗賊退治ばかりで、捕縛時の縄の縛り方ばかり上達しちゃうんですよね」
「え? あ、そうですか……」
おそらく世間話のつもりなのだろう。ターケスと呼ばれた魔道士の青年は女性魔道士の指示に従って、せっせと絶賛黒焦げで失神中の盗賊たちを手際良く縛り上げながら、そうわたしに語りかけてきた。
それに対して、わたしは先のようななんとも返答に困った反応しかできず、如何したものかと、この場にいる口のきける人物──レッカの仲間の大盾持ちの男性に視線で訊ねる。
「?」
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