鳥籠の小鳥

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鳥籠の小鳥

   *┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈*  ユフィリアの部屋では、グレースが《戦闘態勢》で待ち構えていた。 「グレース!」  ドアを蹴破る勢いで駆け込んで来たレオヴァルトが叫ぶ。  彼の剣幕に驚いたグレースが「ふぁっ?」と声をあげた。 「鞭で打たれたらしい。寝台はどこだ、寝かせるからすぐに診てやってくれ! 背中の怪我が……酷いんだ」  寝かせると言いながらも、抱えままのユフィリアの顔を初めて見るかのように覗き込んでは、鼻先に自分の頬を近づけたりしている。 「ユフィリア……ッ、息、してる……?!」  レオヴァルトはひどく慌てているが、もう何度もこのような修羅場に遭っているグレースはある意味、いる。  ──きっとここまで、脇目も振らずに駆けつけてくださったのね。
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