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そしてレオヴァルトの大切なものである彼らふたりが、痛みに必死で耐えるユフィリアの姿と重なった。
──くそ……っ! それと知りながら、私は何も出来ないのか。レイモンドの非道を見過ごすしかないのか。ケイツビーとザナンザだってどんな目に遭わされているか知れない。一刻も早く、ふたりをこの腐った場所から救い出さねば……!
グラシアを注ぐ手元に集中しながら、グレースは治療を続けている。
背中の傷の半分がすでに治癒され、苦しげだったユフィリアの吐息も随分と静かになった。
大聖堂から……この街から、出ていきたいの。
結界の外に出て、広い世界を見てみたい。
もっと自由に、困っている人の役に立ちたい。
自由にグラシアを使いたい。
鳥篭を出て自由に生きてみたいの。
あの時ユフィリアは遠い目をして語った。
まるで、叶わぬ夢でも見るように。
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