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繊細な装飾がなされた柱が立ち並ぶその場所には見覚えがある。
けれど——はっきりとは思い出せない。
顔をあげると、白いもやのような風貌をした人とすれ違った。
見れば、若い女官や侍従……大勢の人々が周囲を右往左往している。
ユフィリアはどうやら混乱のなかにいて、顔はよく見えないけれど彼らがひどく慌てているのがわかる。
混乱の渦の中で呆然と立ちすくんでいると、今度はひときわ大きな人影がユフィリアの正面に現れた。
「お義兄樣……!?」
白いもやが集まったようなその人物の顔はぼやけているが、不思議な感覚でそれがわかる。ただその男の手に長剣が握られているのがはっきりと見えた。
ユフィリアに向けてまっすくに剣を構える男の影が、目の前に迫り来る。
——刺される!
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