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第4章 終焉《エピローグ》
西暦207年09月15日。
まだ幼き飛龍を寝かしつけて
袁熙が使っていた寝台に身体を横にしていつものように甄貴は寝たのですが
この日の夜、不思議な事が起きました
それは…
甄貴が誰かに揺り起こされ
真夜中に起きると…
鄴城にいるはずのない袁熙が、
甄貴の隣で眠っていたのです。
甄貴「…小龍様、どうしてこんなところにいらっしゃるのでしょうか?」
甄貴が声を掛けると袁熙は、
優しく微笑んでおりました。
袁熙「あと一回だけでも桜綾に逢いたいと思っていたら願いが叶った…。」
甄貴が袁熙の身体を抱きしめると…
その身体は甄貴の手をすり抜けました
甄貴「…」
甄貴もその違和感を
感じてはおりましたが…
何も言いませんでした。
甄貴『…神様があと一回だけでも私は我が君にお目に掛かりたいと思っていた私の願いを叶えて下さったのね…』
何故ならば…
もし甄貴が何か言葉にすれば、
この奇跡は消えてしまうような気がしたからです。
袁熙「桜綾、逢いたかった…。
逢いに来るのが遅くなってごめん…」
甄貴「…我が君…。私もあと一回だけでも我が君にお逢いしたかったのです…。」
甄貴と袁熙は朝までお互いに抱きしめ合いながら過ごしておりました。
すると…
袁熙「時間が来たから…ごめん。」
袁熙は甄貴の前で天から伸びる
虹を歩いて消えました。
甄貴「…我が君…まさか…」
あと一回だけ…と強く願いを込めたら
奇跡は起きるのかもしれません。
但し…
奇跡には種類があり…
起きた事で知りたくない事を知る事も時にはあります。
甄貴のように…。
甄貴『生きていれば…
いつか逢えると思っていたのに…』
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