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病は気から!?
住んでいる町の隣町の海で開催されている花火大会に山井完治はやって来た。日中は暑かったけど、海から流れてくる潮風が心地良い。みんなが夜空をじっと眺めていた。
ヒュ〜っ、ドン! パラパラ…
真っ暗な天空に花が咲き乱れる。しかし、山井には夜空に浮かぶ花火よりも気になることがあった。
僕の隣には浴衣姿の河合優衣さんが歩いている。河合さんは高校の同級生。僕が密かに憧れている女の子だ。話の流れでたまたま住んでいる場所が近いという理由で彼女に花火を見に行こうと誘われた。そして、幸運にも花火大会に一緒に行くことになったのだ。
緊張感満載でぎこちなく歩いていると、河合さんのフワフワと揺れる長い髪から甘い香りがした。これはシャンプーの香り?
気づかれないようにそっと隣を見ると、彼女の愛らしい横顔に見惚れ、胸がドキドキする。僕の鼓動は全くおさまる気配がなく、より激しくなる。透明感のある可憐な表情は打ち上げ花火も霞んでしまう美しい魅力があった。
すると、突然河合さんがこちらを向き、とんでもない爆弾を放ってきた。
「ねっ、チュウしよう?」
「えっ!」
僕は何だか気分が…。なぜか足元がふらつく。ドタっ。僕の視界はブラックアウトした!
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