時が経て

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時が経て

3年の月日が経って、私達は大学生に なる。 たくさんのことがあった。 華乃と然野とは仲良くなって遊びに行くようになった。 然野は、私が笑うだけで赤くなるようになった。 ある日、「風邪?」って聞くと 「そうかもな、サツナのせいかも。」 と答えられてちょっとムカついた。 そして今日は初めて大学に行く。 華乃と然野と同じ大学。 ワクワクが止まらなかった。 入学式が終わった後、急に然野が 「俺のこと下の名前で呼べよ。」と 言ってきた。 確かに、もう3年間一緒だし…と思って 「分かった、宜しくね颯真。」 と短く答えた。 それだけで彼は嬉しそうにし、 「あんがとな。」と言った。 今日は入学式だけなので、すぐに 帰路につくことになり、また3人で 帰っていた。 前を歩いていた二人が突如振り返り 私を見て、 「誕生日おめでとう!」 と言ってくれた。 「あっ…。」 忘れてた…今日、誕生日か。 祝ってくれたのはいつぶりだろう。 2人に誕生日を聞かれたのは去年の 今頃。 それまではのらりくらりと質問されないようにしてきたから祝われ なかった。 私は嬉しくなって、笑いながら 「ありがとう!二人共…だ〜い好き だよ!」 颯真と華乃が顔を赤くして 「俺も」「私も」 「「だよ。」」 そう答え、分かれ道となり皆 家に帰った。 3人とも分かれるまでは笑顔だった。 分かれてからは、全員が暗い顔をしていた。
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