『ヤマサ』

2/2
前へ
/12ページ
次へ
「よく見てみて、サツナ。」 「え…?」 見ないようにしていた『ヤマサ』の顔を見てみる私。 それを見守るように優しくて 大好きな目。 『ヤマサ』と目が合う。 「ぇ…。」 「私から見ればそんなにだけど…。 久しぶり、サツナ。」 「あ…。ぉ…お母様!」 「よく頑張ったね…。」 「うん…!わだし、私、二人(両親)の為に色々した。」 「うん、見てたよ。」 「うぅ…。」 「「サツナ避けろ!」」 「え?」 ーグサッ。 「ゔ…。」 ナイフで背中を貫かれた。 「じゃあ、感動の再会的なものは 終わりでよろしくて?」 「は…?」 「はぁ…初めて私って言ったわ。でも苦労してやったかいがあったわ。 お主を殺せたしな?」 「な…んで?」 「山崎家がいると、妾に害が及ぶかもしれないだろう。」 やばい。意識が…。 遠くから颯真が走ってきた。  「待て!サツナ…意識を持て! 喋るな!」 「ごめん颯真。大好きだよ?」 「バーカ。それは俺が言うセリフだ。」 「ふふ、嬉しいな?」 「生きてたら毎日言ってやる。 だから…死ぬな?」 「どうだろ…その約束は守れないかも。」 「守れなかったら叱ってやる。」 「ふふ、嬉しいなぁー。」 それきり人形のように力がなくなり、 動かなくなった。 「サツナ?なぁ、サツナ?起きろよ?返事しろよ?俺…叱りたくねぇよ…。」 「…。」 「なぁ、華乃。サツナを運んでくれ。」 「え?颯真は?」 「俺は少し用事ができた。」 その顔には有無を言わせぬ圧があった。 「そっか…分かった。私の家で集合ね?」 「りょーかい。」 サツナを連れて華乃は去って行った。 「よぉ…ヤマサだっけな。 ちょっと、話しようか。」 「喜んで。」
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加