其の肆

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夢を見る。 お母様とお父様が出てくる。 なんて言ってるのか分からない。 でも…最後に言うのは毎度同じ。 『約束事の其の参は?』 そう優しく聞いてくる。 私はなんだっけなと思いながら もう一度深く目を開けると、 家族はいない。 私をストレス発散に使う 最悪なゴミたちだけがいる。 思い出せないんだ。 其の参。自分はなんだっけ…? でも多分あの家のことなら だと思う。 初めての制服を着る。 リボンをつけ、スカートを履き ブレザーを着る。 「ふふ。」 静かに笑いを もらしてしまうくらいテンションが あがっていた。 行ってきます。 そう心で呟き、初めて学校という所に行く。 ところで、好意というのは必ずしも異性に持つものではない。 トモダチとしての好意もある。 だからトモダチは増やさないように する。そう決めた。 私の今住んでいる家の近くには山が ある。 きっと運命だろう。 。 嫌だな。でも約束事には忠実に 生きていくと決めた。 否、生きていかないと自分自身が、 山の神となってしまう。
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