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次で二千万回目。
宝くじで一等になる確率は二千万分の一。
ということは、後一回で一等が当たるかもしれないのだ。
そうだ! 後一回だ!
次こそは一等を当ててやる!
年が明け、やがて年末になり、俺は宝くじを購入する。
大晦日になり、ついに二千万回目の当選発表日が来た。
思えば本当に長かった。
今度こそ一等だ!
そんな思いを胸に、携帯端末を操作して、宝くじの当選結果を見る。
一等の所に俺の番号は……
なかった。
「嘘だ!!!」
思わず叫んでしまった。
もう一回携帯端末の画面を見るも、番号はやはりない。
深呼吸し、できるだけ気持ちを落ち着けながら画面を見る。
一等はおろか、前後賞にも組違い賞にもならない。
二等にも三等にも、四等、五等、六等にも、俺の番号はない。
七等には……あった。俺の番号が。
当選金額は三百円。
「嘘だ! 嘘だ! どうして、こんなことが……! 死ぬ思いで呪術を身に着けたのに……! 泣きわめくほど苦しい目に何度もあいながら、転生を繰り返してきたのに……! どうして、どうして、一等じゃないんだよ……」
床に膝をつき、手も額もつける。
目から暖かい液体が流れ、床を濡らしていった。
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