二千万回目の宝くじ

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二千万回目の宝くじ

「畜生! 今回も駄目だったか……」  携帯端末の画面を見て、思わずため息が出てしまった。  一等の所に俺の番号がない。前後賞はおろか、組違い賞にもならない。  しかたないので、他の所にないか、画面をスクロールしてみると…… 「あったあった。なになに……? 六等、三千円だと?」  みみっちい金額だが、当たらないよりはマシである。  ……とはいえ、銀行口座に振り込まれたところで、ほとんど空気といえる金額だ。もしかすると、振り込まれるころには、三千円が当たったことなんて、忘れているかもしれない。  今回で千九百九十九万九千九百九十九回目。次は二千万回目だ。  宝くじで一等になる確率は、二千万分の一といわれている。  宝くじの開催は年に一回。購入できる券の数は一人一枚。  人間、長生きしたところで百歳と少し。  生きているうちに一等が当たる人間なんて、ごくわずかしかいないだろう。  だが、俺は修行で呪術を身に着け、自らに、死後、同じ国の人間に転生するという呪いをかけた。  宝くじで一等を当てるために。
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