いつか必ずあなたのもとへ

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 何時間経っても既読が付きませんでした。さらに翌日、僕は、〈お疲れ様です。暑いですね。体調を崩されてはいませんか。水分補給に気を付けて、お過ごしください〉やはり、既読は付きませんでした。その次の日。〈大丈夫ですか? 体調崩されてません? 心配しています〉いくらまっても既読が付きませんでした。 そして、七月六日。僕はメッセージを送りました。 〈明日、M神社である七夕祭りに行きません? そして、その後、ご飯食べに行きません? すごくおいしいイタリアンのお店があるんです。どうですか?〉  一日中、スマホを握り閉めていましたが既読は付きませんでした。翌日の朝、つまりは七夕当日。僕は、再度、〈浴衣じゃなくても大丈夫です。会いたいです。お祭り行きません?〉  返信は来ませんでした。  日付が変わったころ、スマホを見つめがなら、ため息が零れました。それは次第に舌打ちに変わりました。チッ、チッ、チッと打つたびに、苛立ちのバロメーターが上がっていき、胃液がヘドロに変わったかのように不愉快になりました。
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