第一話 人喰対策特務局

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「……人喰」 「そーやで」  ぽつりとつぶやいた私に、今まで黙っていた軽薄そうな髭のおじさんがニヤリと笑った。 「お嬢ちゃんには、人喰ウィルス感染者の疑いがある」  ボールペンの先をこちらに向けた。 「私、隔離されるんですか? ……最悪、殺処分とか……」  せっかく兄も母も死んで自由になれたのに……。 「はっはっは!」  髭のおじさんは頭を搔いて笑い出す。隣のおじさんが睨みつけると、肩をすくめた。 「いやぁ~そんなことはせんよ~」  気に障るニヤニヤ笑いを浮かべて、彼はこう言った。 「君にはただ、職員になってもらいたい。人喰(ヒトクイ)管理委員会のな!」
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