第一話 人喰対策特務局

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「おいポチ、ボサっと立ってんなカス」  蟹原が男の人を膝カックンした。っていうか、ポチ? って何? 「ひゃわ!」  男の人がこちらに倒れてきて、抱き合う形になった。 「わー! わーちょっと!」  血の匂いに混ざってラズベリーキャンディーの香りがして、香水? シャンプー? ……って私は変態か!? 「ご、ごごごごめんなさい!!」  男の人が涙目になってすごい勢いで離れていってしまったので、ちょっとショックを受けた。ひょっとして私臭い? 自分でくんくんと匂いを嗅ぐ……ってそうじゃなくて! 「何するんですか!?」  蟹原部長を睨みつけると、彼はへらへらと笑って 「お前の仕事や。ポチの世話」  男の人(ポチ)を指さした。 「……え?」 「え? やない。お前は今日から、コイツの飼い主やから。給料発生してるんやで、サボるなよ」  嘘でしょ?
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