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「えへ。僕、嬉しいです。こんなに人間さんに優しくされたのはじめてで」
「えー」
「みっちゃんは優しい人です」
「そんなことないよ」
「えへへー。みっちゃんすきですー」
ポチの笑顔に困惑しつつ、真意を探ろうと視線を部屋中に巡らせた。何もしてないのに溺愛されるのはフィクションだけだ。
「さてはオメー、マンション買わせる気だな」
「えっ!?」
私はソファーから飛び降り、ポチと距離を取る。
「だ、騙されないぞ!」
「???」
本気できょとんとしている。演技だったら怖い。
「……な、なんで?」
「はにゃー?」
なんだその小動物みたいな返事は。ていうか、
「何で私のこと好きなの?」
「みっちゃんは遊んでくれるからです~」
即答。しかも、小学生みたいな理由で。
ポチは、にこにここちらを見つめている。そういえば、この子と関わることが『仕事』なのを忘れてたし、ああだから仕事なんだってなんとなく察した。
頭を押さえて「はー」とため息をつくと、ポチが『あ!』と何か思い出した風に言った。
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