第三話 初仕事

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 ゴミ収集車みたいな、黒い大きなトラックに乗せられた。運転席には蟹原部長が片手でハンドルを操作している。  助手席には私、後部座席にはトラックに乗りこむときに、相変わらず睨みつけてきた名前の知らない小おじ(注:ロリコンで眼鏡をかけた小汚いおじさんを指す)が足を広げて座っている。その隣にポチが小さくなって窮屈そうに座っていた。 「どこに向かってるんですか?」 「あー? 居酒屋」  蟹原部長は、こちらを見ずに軽い口調で答えた。 「はぁ……。それで、私は何をさせられるんでしょうか?」 「ヒーロー活動だよん」  軽い。そして仕事内容が全然見えてこない。  信号が赤に変わり、急ブレーキをかけた。シートベルトが体に食い込んで、胸がウッってなった。 「あ、そや。猿山君、みっちゃんにうちの仕事内容説明したげて」  と今思い出したように言うと、蟹原部長はスマホを手に取った。信号待ちでスマホ弄る人の車に乗るの怖いなぁ。 「えっと……」  後部座席の小おじ――改め猿山が、口を開いた。
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