第一話 人喰対策特務局

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 第一話 人喰対策特務局

『つづいては非常に衝撃的なニュースです。昨夜、××市××町の住民全員が殺害されるという事件が発生しました』  テレビでニュースが流れている。××町は、私の住んでいる町だ。それをボーっと見ている私と、警察官らしいおじさんが二人。 「生き残ったのは君一人なんだよね」  おじさんのうち髭の生えていない方が口を開いた。まるで私が犯人かのような口ぶりだった。それからしばらく尋問? がつづいたが、白昼夢を見ているみたいで内容が全然頭に入ってこなかった。 『――また、住民たちの身体には鋭い牙によると思われる深い傷が確認されています。犯行の痕跡から、警察は人喰による犯行の可能性を見て調査を進めています』  人喰(ヒトクイ)ウィルス――20XX年、惑星探索から帰った宇宙船により持ち込まれた未知のウィルスである。    人間にのみ感染し、感染した場合ほぼ無症状か軽症だが稀に脳幹を破壊し、感染者を殺す。    その後、感染者の体を乗っ取り人を襲い、喰らう。また、人喰(ヒトクイ)ウィルス末期感染者のことを「人喰(ヒトクイ)」と呼ぶ。
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