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「太蔵さん、美里さん。連れてきました」
刀祢神社で蓮香と舞美を出迎えた太蔵と美里はまだ半信半疑であった。
「その子が例の?」
美里の問いに蓮香がうなずく。
「まだ信じられないけど、蓮香が動いているんだからそうなんだろうね」
美里は自分が今まで見た事、経験した事のないものに興味を持つ性格でもあった。
普通ならにわかには信じられないであろうハザマ真理教の話に耳を傾けて受け入れたのだ。
「舞美、この二人は私の師匠と先輩でおじさんの方がこの神社の先代神主だった刀祢太蔵さん。こちらの女性はそのお孫さんで今は神社の巫女をやりながら霊媒師をしている美里さん。どちらも凄い能力の持ち主なんだよ」
「おじさんは余計だぞ」
太蔵がそう言うと美里がすかさず突っ込む。
「それ以外なんて言うのよ。おじいさんって言われなかっただけでも感謝しなさいよ」
美里と太蔵のやり取りに舞美も思わずくすっと笑う。
「生駒舞美さんと言ったね。当面はここで暮らすといい。古臭い神社だが来客用の宿泊施設くらいは整っているから安心しなされ」
「すみません。色々とお世話になります」
舞美が深々とお辞儀をすると蓮香は美里に耳打ちする。
「舞美がここにいる事が判明したら法元はここにも傀や手下たちを送りつけて来ます。じきに宗像凛という少女が来るはずです。彼女を味方につけられればこちらが有利に戦えるでしょう。しばらくご面倒おかけしますが、よろしくお願いします」
「そんなの気にしないで。これが私たち刀祢神社の仕事なんだから」
美里は舞美に歩み寄ると手を差し出した。
舞美もそれに応じて二人は握手し、蓮香とともに仲間としてハザマ真理教と戦う事を決意をした。
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