おばけのくーちゃん 感情の旅

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くーちゃんはお友達のはるくんとみーちゃんと遊んでいました。 最初は三人とも仲良く遊んでいました。 「あはは、楽しいね!」 「みーちゃんこっち!はるくんに頂戴!」 「はるくん!どうぞ!」 「くーちゃん!ボールキャッチしてね!」 「......」 でも、遊び始めてしばらく経つと... 8b9397f3-3547-495c-a5c9-bc711206fa5c「くーちゃん聞いてるの?ボールキャッチしてって!ほら!投げるよ!」 はるくんはくーちゃんにボールを投げました。 くーちゃんはボールをキャッチしました。 「やった!くーちゃん、次私に頂戴!」 「くーちゃん、みーちゃん、ボール遊び楽しいね!」 「うん!くーちゃん楽しい?」 「......」 くーちゃんは楽しいというのかがわからないのです。 笑顔も浮かべないくーちゃん。真顔なくーちゃん。 はるくんはとうとうくーちゃんに怒りました。 「くーちゃん、真顔ばっかじゃないか!楽しいとか思わないのかよ!」 「くーちゃん、私達と遊ぶの楽しくないの?」 みーちゃんは泣いちゃいました。でもくーちゃんは真顔なまま。 「くーちゃん、楽しくなかったんだ...ヒック、うぅ」 「あ!みーちゃんが泣いたじゃないか!くーちゃんの感情なし!真顔ばっかでつまらない!」 「...感情、なし?」 「そうだよ!感情なし!怒ったり泣いたり喜ばないとかくーちゃんのおかしい!この感情なし!」 「......」 「もうくーちゃんなんか知らない!」 はるくんはみーちゃんを連れてどこかに行ってしまいました。 それでも真顔なくーちゃん。 「感情...なし」 くーちゃんははるくんに言われたことを忘れていないようです。 くーちゃんは家に帰ってよーく考えました。 「感情...怒ったり、笑ったり、泣いたり...ない。僕には感情がないんだ」 自分に感情がないことに気がついたくーちゃん。 しばらくぼーっとして考えました。 「僕...感情を探そう。旅に出よう」 くーちゃんは感情を探す旅に出ることを決めました。 くーちゃんはバッグを持って家を出ました。 くーちゃんの旅のはじまりです。
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