おばけのくーちゃん 感情の旅

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くーちゃんは川を渡って進みました。 くーちゃんは少しつかれた様子です。 でもくーちゃんはずっと前へ進んでいきます。 少し進んだ先には小さな細い一本道がありました。 道の周りには沢山の草が生えています。 「ここはどこだ?」 「もう!なんなんだ!どいつもこいつも俺をバカにしやがって!」 近くから大きな声が聞こえてきます。 くーちゃんは音が聞こえる方へ向かっていきました。 「もう!なんなんだよ!」 「ねえキミ。なにしてるの?」 くーちゃんが出会ったのはくーちゃんの二倍も背が大きいフランケンシュタインさんでした。 どうやら怒っている様子です。 「俺は今怒ってるんだ!これ以上怒らせると痛い目にあうぞ!」 くーちゃんは真顔です。フランケンシュタインさんは真顔で見つめるくーちゃんを見ました。 「なんだよ!」 「怒ってる...それって感情?」 「え...感情だよ」 「...なんでフランケンシュタインさんは怒ってるの?」 「いろいろあったんだ」 「そうなんだね。でももう怒らないで元気だして!」06f65656-fb2d-4790-afda-0642eeb0b2aeくーちゃんはフランケンシュタインさんの横に立って話しました。 「僕は今、感情なしなんだ」 「お前、感情がないの?」 くーちゃんはフランケンシュタインさんの質問に対してうなずきました。 「喜びと怒りとかがわからないんだ。だから僕は今、感情を探す旅に出てるんだ。今僕はオオカミさんに教えてもらった怖いって感情と、カッパさんに教えてもらった悲しみしか知らないよ」 「そうなんだね。くーちゃんは今、怒りっていう感情を見つけたよ」 「怒り...」 くーちゃんはフランケンシュタインさんから『怒り』の感情を教えてもらいました。 フランケンシュタインさんはくーちゃんに簡単に説明しました。 「そうなんだね...教えてくれてありがとう」 くーちゃんは旅に進まなければなりません。 くーちゃんとフランケンシュタインさんのお別れの時間です。 「それじゃあ、僕はもう行くよ」 「うん。感情をたくさんわかるといいね。気をつけてね!」 「ありがとう」 そう言ってくーちゃんはフランケンシュタインさんとお別れをして細い一本道を進み続けました。 あれ?奥から声が聞こえるようです。 くーちゃんはそろりそろりと進んでいきます。
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