パーティ、パーティ。

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パーティ、パーティ。

 久しぶり、小雪。元気してた?  小学校の時ぶりだから、なんだかんだで十年ぶりになるんだっけ。あなた随分背が伸びたわよね。ほんと羨ましいわ、私はぜーんぜん駄目だし。子供の頃は背が高い方だと思ったんだけど、今じゃすっかりあんたに追い抜かされちゃったわね。  今日は私が奢るから、好きなもの食べなさいよ。このお店、ヤキトリが美味しいって評判だから。え、私?何で久しぶりに会う気になったのかって?んー、小雪に会いたくなったから、かな。なんか、昔の友達が懐かしくなっちゃったのよね。  電話で言ってたけど、あんた大学行かなかったんだって?頭良かったのに、勿体ない。ああでも、小雪可愛いもんね。モデルやってたら、なかなか学校に行く暇はないか。  私はというと……まあぼちぼちってかんじ?普通に大学行って、普通に暮らしてるってだけ。つまんない人生よ、ほんと。  ていうか、どうしたのよ黙り込んで。顔色悪いわよ?  え?  私と会って、あの子のこと思い出しちゃったって?  ……そっか、そういえば、そうだったわね。小雪は途中で転校したから……うん。  まあ、転校して正解だったと思う。私達、あの子には完全に騙されてたもの。  美人だし、優しそうだし、親切そうでしょう?いい子だってずっと思ってた。ひょっとしたら、あの子の両親もそうだったのかもしれない。影でいろいろやってたって噂あったけど、そんなの最初は全然信じてなかった。あの子を嫉む奴らが、汚い噂を流してるだけだと思ってたもの。  そうじゃなかったって知った時は、本当にぞっとしたわ。あんた、転校してよかったわ。そうじゃなきゃ、多分私達と同じ目に遭ってたはずだもの。  どうしたのかしらね、あの子。  あの事件のあと引っ越していって、そのまんま行方を知らないのよ。  ……ごめんなさい。ちょっとね、私も思い出しちゃった。正直、今でも怒りを抑えることができないわ。  だって誰も悪くなかったんだもの。みんなみんなみんな、あの子を信じてついていっただけだったんだもの。  それなのにどういてあんな目に遭わされなきゃいけないのかわからない。  復讐したい、殺したい。  そう思ったことは、何度でもあるわ。
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