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……ああ、本当に思い出すだけでぞっとする。
最終的にクラスのみんな、ギリギリのところで助かったけれど。全員、あいつへの憎しみをたぎらせていたのは間違いないわ。
あいつを絶対許さない。
必ず見つけ出して復讐してやるって、病院のベッドで誓い合ったの。でも。
小学生だから、あいつはニュースに名前も出なかった。
転校すると言ったのは本当で、さっさと家族ごと海外に逃げてそれっきり。結局どうなったのか、私達は警察に教えてもらうことさえできなかったの。犯人が小学生だったから、ただそれだけの理由でよ!?人を苦しめて殺そうとした罪に、小学生だからってどうして恩赦や情けがいるのよ!?
……ってごめんなさい、あなたに愚痴っても仕方ないわよね。
本当に、あなただけでも無事でよかったわ。もし転校してなかったら、あなたも巻き込まれていたはずだもの。
え?今日来たのは、本当は確かめるためだった、って?
確かめるってなにを?え?……え?
何を言ってるのよ、小雪。
私はここにいるじゃない。
ニュースで見た?……毒を盛られたクラスメートは全員死んだって?子供達のお墓もあったって?私も?……は?何言ってるのよ。だから、私は生きてるってば。
ちょっと小学生の時のまま童顔で小さいからって。人を死人扱いするなんてひどい話ね。
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