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 とてもきれいな、鳥を見た。  目が、見たこともないようなつぶらな黒さで。   トサカあたりの白い毛が、ひゅっとはねあがって。  窓の外を、掠めるようにしゅっと通り過ぎただけなのに  わたしはご飯のこともどうでもよくなるくらい、心を奪われてしまった。  あの美しい鳥は、どんなものを食べるのかしら。  わたしは動物が何を食べるか、よくしらないけれど  このあたりにはいない鳥だから、食べる物もつまらない物なんかじゃないはずだ。  わたしは鳥がまた窓の外を横切らないかと、ずっと同じ場所で外を見つめていた。  でも  いくら待っていても、美しい鳥は戻ってこなかった。  待っているのに。必ずまた来るはずなのに。  おかしい、とわたしは思った。  ずっと見続けているのだから。こんなにも待ち焦がれているのだから。  伝わっていないはずがない。わたしのことを知らないはずがない。  わたしは一瞬、黒い物にとらわれそうになった心を慌ててなだめた。  そんな風に考えてはいけない。何かおいしそうな物でも見つけたのかもしれない。  なぜならあんなきれいな鳥はきっと、わたしの知らない広い世界を知っているはずだから。
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