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 「志賀よ。最終試験の結果を言い渡す。陰陽師への昇格は保留だ。」  「不合格ではないんだな。」  「今回の報告を聞く限りじゃ判断が難しいからの。」  結論としては、新藤の恋が成就することはなかったが、あの日以降、木本さんと新藤がクラス内で話していることを見かけることが多い。  「式神を利用して、友の学校生活の充実をはかれたようだから、不合格にするには惜しいからの。丸吉の人間に化ける能力も向上したから試験をやった意味は大いにあったと感じておる。」  「ということは、もう一回チャンスをくれるのか。」  「チャンスをあげてもよいが、丸吉ばかりに一方的に指示するのではなく、次は丸吉と志賀がうまく協力して試験に臨めよ。そうすれば、合格できるような試験を言い渡すつもりだ。」  「はいはい。そういうことね。」  「あと、木本だが、あの娘には気をつけておけよ。」  「あー分かってる。同じ陰陽師だし、あいつの方が実力は上だしな。」    いつものようにけだるい感じで学校に行くと、新藤が一方的に満面の笑みで木本さんに語りかけていた。木本さんは少し引いた顔をしていたが、新藤への向き合い方が少し変わっているように感じた。  俺は、今後も新藤の恋を応援するべきなのだろうかと、複雑な気持ちでいたが、二人の事はそっと影から見守る事にした。  
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