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*13 確かめ分かち合う想いと肌のぬくもり
湯気の立ち込める湯船に浸かるつもりが、いまユズは湯の中で壁に手をつき、腰を突き上げるような姿勢を取らされている。その腰をアキが捕らえ、その中央にある後孔に愛撫を施しているからだ。
ユズを気持ちよくしてあげるから、という口実でこのような姿勢を取らされた上に愛撫までされている。いつにない羞恥心を覚える行為にユズは再び目覚めた花芯に蜜があふれて止まらない。
「っは、あ、ンぅ……アキ、く……」
「ッふ……ユズ、俺の舌持って行かれそうなほど、きゅうきゅうしてくるよ」
「ッアキ、ッや、あぁ、ンぅ! も、や、あぁう! そこ、いじらないでぇ!」
「ユズ、先走りすごい溢れてくる。さっきよりすごいんじゃない? ここ触られるの、好き?」
「ッあぁ! ッやぁう! ッらめ、も、ッやぁ……」
ナカの浅いところにあるシコリにアキが触れた途端、ユズが悲鳴のような声をあげて喘ぐ。快感で泣き出さんばかりのユズの赤い痴態に、アキの熱の昂ぶりが止まらない。痛いほど屹立したそこに血液が集中し、アキはユズに覆い被さるように重なりながら肩で息をしている。
「もう少しユズを気持ちよくさせたかったけど……ごめん、なんかもう、限界っぽい……」
甘く熱い吐息がユズの耳元をくすぐり、聴覚からも欲情を煽られる。同時に後孔に押し付けられる熱い雄芯の気配への期待がはちきれんばかりだ。
これ以上焦らされて、アキの雄芯以外で快感を施されるのは我慢ならない。そう、ユズは思い至り、振り返りざまにアキのそれを掴み、彼を求める秘所へと宛がって乞うた。
「……俺も、限界、なんだけど」
濡れた目でアキを見やり、甘い蜜が滴りそうな唇で乞うてくるユズの姿に、アキの理性が一気に崩壊した瞬間だった。
アキはすぐさまユズの手を掴んで壁につけ、それと同時に押し付けていた昂る雄芯をユズの中へと挿入してきた。熱い肉壁が待ち構えていたように彼を包み込み、肌に馴染んだ形へと模っていく。しがみつくように蠢くナカに、アキは思わず小さく喘ぎ声を漏らす。
「ッあ……ユズ、そんな、締めない、で……」
「アキ、く……ッあぁ、アツい……もっと、奥、欲しい……」
普段、ユズから奥へと乞われることはあまりない。気持ちが昂り、タイミングが合えばそう言ったおねだりがないわけではないが、基本的にユズは恥ずかしがるので滅多に自分から求めようとはしないのだ。
それなのに今日はユズから腰を押し付けるようにアキを誘うのは、ユズもまた、狂おしいほどにアキを求めているからに他ならない。
ユズの胸中を読み取ったかのように、アキはぐっと腰を押し付け、最奥目がけて熱く甘い牙を突き立てる。激しく腰を打ち付けるよりもじっくりと熱を感じるこの動作の方が、ユズがより快感を得ることをアキはよく知っているからだ。
「あ、あぁ、ン、ッは、あぁ、アキ……陽人ぉ……」
「ユズ……柚樹……すごい、きゅうきゅうしてる……気持ちいいよ、すごく」
「俺の、ナカ……陽人、で、いっぱ……ッあ、あ、あ、ン、ンぅ」
肉壁がアキを招くように絡みつき、締め付けて放さない。その快感に目眩すら覚えながら、アキはゆっくりと前後に腰を動かし始める。濡れた肌の音が風呂場に響き、釣られるように跳ねる水音も聞こえ始めた。
魚が水で遊ぶような音が繰り返し続き、その狭間を甘いユズの啼き声が縫っていく。時折低くアキの喘ぎ声が混じり、風呂場はふたりの熱く甘い吐息で満たされていく。
壁に手を突くユズが拳を握り始め、アキは彼の限界が近いことを悟り、より一層激しく奥へと熱を挿し込んでいく。それに伴いユズの声は一層甘くこぼれ、もはや言葉の体を成していない。
「ッあ、あ、あ、らめ、っや、あぁ、あぁ、イク、イッちゃ、あ、あぁ、あぅ……――ッ!!」
ひときわ高い悲鳴が上がった瞬間、ユズは花芯から蜜よりも濃い白濁を再び吐き出した。そして同時に、ナカに熱いものが爆ぜて放たれた気配がした。ぱたぱたと白濁は溢れて湯船の中へこぼれて、ユズの薄赤い腿を伝っていく。
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