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第13話 身体の変化
龍間神社で竜が入ったことを実感した水七子。
即座に身体の変化を感じた。
まず異様に水を飲む。
もちろん暑い時期だし水分摂取量は自然と増えるが、喉が渇いて飲むわけではない。
身体の内側に水が染み渡り、吸収されていくのを感じる。
(紫龍が求めているのか)
今までいた虹龍はあくまで水七子についている竜。
今回のように身体の中に入っていたわけではない。
それが体内に竜がいると、
体温が少し上昇。
お腹にエネルギーがあり、ぽかぽかする。
メンタル面でも、
急に自信がわき、人目を気にせず行動できる。
自己肯定感が高まる。
からだが軽く、動きが素軽くなる。
まるで、自分の体重を感じないくらいに。
走っても、息もきれない。
喉のチャクラが開き、発声がなめらかになる。
(私がわたしじゃないみたいだ!!)
この状態が、一時的なものか
この先も続くかはまだわからない。
水七子は、文字通り竜と一体化している今この瞬間が、幸せでたまらなかった。
その夜
どうやら眠っている間に
龍の世界と繋がっていたようだ。
目が覚めると、情報がインプットされていた。
若い竜は経験を積むために、選ばれし竜付き人の元で修行することがあること。
その際の指導龍は、その人間についている竜だということ。
(コウちゃんが指導龍…?)
このクールな虹龍が他の竜の世話などするのだろうか。
常に我干渉せずを貫いているのに。
そもそも何を教えるのだろう??
人間や人間の世界についてなんだろうか
虹龍に尋ねるも、沈黙を貫いている。
多少戸惑っているのかもしれない、
己に課せられた使命に。
竜は基本単独で行動する生き物だ。
だから、今回のようなコミュニティがあることを知って、水七子は驚くとともに、より親しみを感じた。
長生きしてるので古風な物言いや考え方の青龍
亡き母親の魂と同調し、人間のような銀龍
そしてプライド高くより竜っぽい虹龍
自分の周りの竜たちを
知れば知るほど竜に愛着がわく。
そして神社でお会いした
黒龍、白龍、土龍。
修行に来てくれた紫龍
こんなにも世の中竜がたくさんいるんだ!
一般的には目にみえないけれど
世界は竜であふれている。
人と竜はどのように関わって
交わっていけばいいのか
知りたいことは山ほどある。
(紫龍…あなたとともに、私も学ぶわ。貴方たち竜のことを)
龍間神社の龍神様も、その意図で紫龍を遣わしたのかもしれない。
ぽわ…
呼応するかのように、水七子の左手の甲が、淡く光った。
見ると浮かんでいる静脈が、龍のかたちに見える。
「えっ!?なにこれ」
(身体の一部に浮かぶ龍の文様…それは龍に選ばれしものの印。竜印と呼ぶ)
虹龍が教えてくれた。
「すご…っていうか、龍が私を選んでくれたなんて…」
感激でしかない。
選ばれし者として、恥ずかしい振る舞いのないようにしなくては。
身の引き締まる思いがした。
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