第7話 チャネリング

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第7話 チャネリング

スピリチュアル系に関心がある方なら、聞いたことがあるだろうか。 チャネリング それは宇宙の大いなる存在や、見えない世界とつながること。 異次元との交流を通じ、自分の生まれ持った使命を思い出したり、気付きや生きるヒント、誰かに伝えるメッセージを受け取ったりする。 「風浦さんって、チャネリングとかできるんですか?」 入社してもうじき一ヶ月。 仕事にも慣れ、一通り植物の世話ができるようになっていた。 雪恵とはペアになって行動するため、合間合間で手を動かしながら、竜やスピリチュアルな話に花が咲いた(園芸店だけにw) 「チャネリング…特に意識したことないけど」 「昨日見たYouTubeでね、チャネラーが宇宙との交信をLIVE配信してたの!風浦さんは竜と話す時とかどんな感じなのかなって」 雪恵の日課となっているYouTubeでの勉強熱心さは素晴らしい。 「そうだな…テレビに写った画面を見てるように、客観視してる感じかな。だから、コウちゃんの姿も目の前にあるような。チャネリングできたらきっと、特定の竜と深くつながって、想いと同調したり、メッセージを受け取ったりしそうね」 「そうなのねー、高次元の見えない世界とつながるなんて私には無理そうだけど、風浦さんならできそうよねー。いつかそうなりたいなー」 「新山さんならきっとできますよ。だって銀ちゃんもいるんだから」 「そうかなー、そうなれるといいなー」 竜のことを話す雪恵は心底うれしそうで、水七子もつられてうれしくなる。 「竜は素直で純真な人が好きなんです。だから新山さんのそういう揺るぎないまっすぐな心が、銀ちゃんも大好きなんですよ」 そうそう と微笑む銀龍。 穏やかで優しい竜。 「えー、そうなんだ!私も銀ちゃん大好き〜」 竜付き人と竜が相思相愛だと、強固な絆が結ばれる。 (私もあなたが大好きよ、コウちゃん) クールな虹龍はあまりリアクションはとらないが、 その想いはまんざらではないようで、 照れているようなぽっと温かい体温を感じる。 人についている竜は、その人のことが好きなのです。 だから守り、愛し、助けてくれる。 竜に選ばれた竜付き人なら、その想いに報いる生き方をし、竜の加護を恩恵を、大切に受け取りたいですね。 水七子はJRで電車通勤をしている。 主要駅で乗り換えると、快速でなら二駅、15分。 その日は、どうしたわけか無性に眠たかった。 スピリチュアル能力が高い人は、時々猛烈な睡魔に襲われることがある。 それは意図せず見えない世界に意識がとんだり、エネルギーを消耗しているからだと言われている。 ガタンゴトン 電車の揺れにゆられながら、ウトウト。 今日はどんな話をしよう… そういえば昨日チャネリングの話題が出てたな… なんとなく できそうな気がした。 半分眠りかけ、半分覚醒している 今の状況なら。 チャネリングできたら、 竜とより深く繋がれるかもしれない。 なんとなく、と思うときは 自分に向けられた何かのメッセージを 受信しかけている時。 そこに意識を向けることで、 電波が繋がり、内容を表示できる。 ラジオやテレビのチャンネルをつける時は、 公共に流れている電波の中から 受信したい局を選び こちらのチャンネルを合わせ 一致すると見たい聞きたいものを視聴できる。 チャネリングもこの原理だ。 チャネリング=チャンネルが合わさること。 アクセスしたい世界に自分の波動を合わせ 重なった時、 その世界をより深く感じとれる。 誰に教わったわけではないけれど、 水七子は自身の感覚で、そう理解していた。 スゥ… 深呼吸して、頭の中のイメージに まずは銀龍を。 それは普段から、銀ちゃんから何かメッセージが発せられていたのを感じたからだ。 瞑想時のように、脳内真っ白になる。 ストン おちた 顕在意識が、潜在意識のほうへ。 フワッ 一瞬で魂が浮かぶような浮遊感。 あたり一面光に包まれる。 (これは…銀ちゃんの意識の中…?) 繋がった実感があった。 チャネリングしたら…こんなに気持ちいいものなのか 多くのメッセージ、イメージが一瞬のうちに頭に入ってくる。 まるでコマ送りのページを高速早送りしているみたいに。 気付いたら…一駅乗り過ごしていた(汗) 初めて経験したチャネリングは、電車の中。 時間にして約20分の異次元トリップ。 急いで反対側のホームから折り返す。 「時間軽くやばめ」 駅から小走りすれば、なんとかギリギリ間に合いそう。 「新山さんに、伝えたいことがいっぱいあるっ」 銀龍からたくさんのことを教わった水七子は、それを話したくてウズウズしていた。 d43669d1-447c-44d8-b816-8cc32ae3b54a
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