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高校生の僕…朝
僕は、次の日の朝になり母親の大声で目を覚ました。
「晃!!!休みだからっていつまで寝てんの?!朝ごはんできてるよ!!」
下の階のリビングから母親の叫び声が聞こえ、僕は床の上から慌てて飛び起きる。
昨日のことを忘れていたくなくて、僕は左足を触ってみた。
だが、どこにも傷はない。
「うそ…なんで?」
僕はスマホで撮った写真をスクロールした。
だが、黒羽の写真だけが、どこにも保存されていないのだ。
「え?なんで?昨日のあれって…?」
僕は階段を駆け下り、台所でお味噌汁をよそっている母親に訊いた。
「母さん、昨日、千の森でなんかあったでしょ?ニュースになってない?鬼が出たとか…ケガした高校生がいたとか…」
「え?そんなの聞いてないよ。この町は平和です。寝ぼけてないで座ってよね」
僕は奇妙な感覚に襲われながら、席についた。
目の前に並ぶ目玉焼きとサラダ、お味噌汁、ごはんを見つめながら、僕は昨日のことを思い出していた。
黒羽におぶわれた熱も、あのとき話したことも匂いまでちゃんと思い出せる。
昨日の一夜は…めちゃくちゃリアルな夢だったんだろうか?
僕は、一つの決意をして呟く。
「いただきます」
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