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高校生の僕…黒羽赤峯、現る!?
僕は、漫画を描き終えた夜、嬉しさのあまりGペンを握ったまま、机に顔をつけて眠り込んでしまっていた。
夜も更けてきて、僕は、ごそごそという物音が聴こえて、目を覚ます。
顔を上げると、開け放した窓の向こうから、こちらに向かって部屋に入り込もうとしている男がいた。
僕は驚きのあまり、ここが2階だということも忘れていたし、声を発するのも忘れて、その男を見つめた。
顔の右半分は焼けただれて、理知的な瞳をした学ランの男が窓から身を乗り出しているのだ。
「やぁ、文待晃くんだね」
「くくく、黒羽だ!!!」
僕は興奮のあまり、飛び上がった反動で前に倒れ込んだ。
黒羽がそれを見て、きょとんとした顔をした後、窓から部屋に入って、僕の体を起こしてくれる。
紛れもなく、僕が描いた漫画の主人公の黒羽赤峯がそこにいた。
「大丈夫?作者なんだからしゃんとしてくれなきゃ困るよ」
「うそ?!なにこれ、夢?!夢じゃないよね?!」
僕は、はっとして口をおおって、声を潜めた。下で寝ている親は、起きてくる気配がないので胸を撫で下ろす。
改めて見た黒羽はイケメンという設定にしていたが、俳優をやっています、と言われてもおかしくないほど整った顔をしていた。
顔の右半分が焼けただれているのも、なかなかインパクトがあるが、それが逆に白い肌とマッチして、黒羽の怪しげな魅力を引き立てているように見える。
「なかなか、いい設定にしたな、俺」
と、僕は黒羽を凝視し、監督ばりにふむふむ、とその顔を見つめる。
「うーん、どこからどう見ても、俺のイメージ通りだ…」
「なに?俺の顔に何かついてる?」
「うわぁ!声!その声だよ!わぁー、あの声優さんまんまじゃん!」
黒羽の声帯は、僕が大好きな男性声優さんのそのままのものだった。
喋るたびにいい声が耳元で聴こえてきて、僕はあまりの気持ちよさに昇天しそうになる。
「すげー…。アニメじゃなくて生きてるよ。これが夢なら覚めなくていい」
「晃くん、俺、本題に入りたいんだけど…」
「ちょっと待って!その前に刀見せて!」
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