第1話 兄嫁が可愛い過ぎる

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第1話 兄嫁が可愛い過ぎる

俺「えっ? 園美(そのみ)さんってアイドルだったの……!」 兄「ああ、アイドル活動もしてたらしいぞ……。」 その女性が兄貴の婚約者だと兄から紹介を受けた。 幼すぎる!可愛い過ぎる!笑顔がステキ過ぎる! それが第一印象だった。 世間話をしていると園美さんが盛り上げてくれる。 きっと頭が良いんだろうな。 兄「俺の嫁さんに成る女性(ひと)だから、手を出さないでくれよ……!」 俺「分かってるって……! それに俺には、押しが居るから彼女には興味無いし……!」 園美「タカシさん……押しさんが居るんですね、じゃあ無害 確定ですね。 残念……。」 最後の『残念……。』って何だ? チョッカイ出してほしいサインかな? 俺「園美さんのファッションは、JKチックな服装ですね。 それじゃあ、よく声を掛けられるんじゃ無いですか?美人だし……。」 園美「うーん、まあ たまに声を掛けられるかな? 全く無視されるよりは嬉しいかも……だけど。」 そういえば、アイドル活動してたから、声を掛けられるのは日常茶飯事かあ。可愛いもんな。 俺だって、街中で園美さんに逢ったら声掛けるかもしれないな。 ……………………………………………… 俺が先にお手洗いに行って……後から 園美さんが洗面所の鏡でメイクのチェックの為に席を立って来たようだ。 俺「園美さん……メッチャキレイですよ、さすが元アイドルですね。 俺、ファンに成っちゃいました……!」 園美「ありがとう……。 ファンサービスは何が良いですか?」 園美さんが急接近してきて、俺の手を握って頬にキスをしてきた! 俺「超うれしいけど……兄貴に悪いわ。」 園美「お兄さんのタケルさんなら気にしなくて大丈夫ですよ。 それに小さな事は言わなくて良いですし………。」 まだ彼女は俺の手を握っている。 その握った手を彼女の胸に押し当てられた。 何のメッセージ? 園美「私が本当に付き合いたいのはタカシさん……あなた なんです! 覚えていませんか? 1年前のファンサービスの会場で……。」 俺「えっ?あの時の園子【芸名で】さん?」 確かに俺は当時押しだった園子にハグをして、愛をささやいた。 「俺のシンデレラ!もう離さない………!」 当時の事を思い出してか…… 園美さんのほうからハグをしてきた。 「タカシさん!もう離れたくない!好きです!お兄さんのタケルさんとは擬装結婚で、本命はタカシさん なんです!」 もう何を言っているのか……状況を理解するのに時間が掛かる。 俺「どういう事?」 園美「当時はアイドルに成り立てで、寂しい思いをしてたんです!そんな私を好きだと言ってくれて応援してくれたタカシさんが大好きになっちゃったんです! でも仕事が忙しくなって、タカシさんに会えなくなって……でも、やっと探し当てたんです、タカシさんを!」 俺「そんなにコクってくれるのなら…… どうして、兄のタケルに……?」 園美「半年ほど前にタケルさんにお世話になって、結婚を考えるように成りました。  でも結婚と恋愛は違うんだと思い知らされたんです! 今日、タカシさんに逢って確信しました。 私はタカシさんが好き!」 「ダメだよ……兄貴と結婚するなら、他の男性(おとこ)は あきらめなきゃ……! それが園美さんが幸せになる道だから。」 俺は園美さんの手を握り返して諭したつもりだった。
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