【3】出会い

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「うええっっぷ!」  なんだなんだ。西陵の『命水』の泉が枯れかけてる!  水がほとんどなくなって、お湿り程度になった泉の底で俺は腹ばいになった。 「ごほっ……なんだ……ここの空気……」  カラッカラに乾いた風が吹いていて、それを吸い込むと胸がきゅうっと締め付けられて痛くなった。 「やべ……皮膚が乾いてきた。息苦し……」  そういえば西陵って、水城(みずき)と違って緑が乏しい土地なんだ。  草木が何故か育たなくて岩と砂しかないらしい。 「えっ、さかな……?」  その時、誰かが俺の体をそっと持ち上げた。
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