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どうしよう、どうしよう、どうしましょう。私、歌なんか……
なんて、思っていたら、あめふらしちゃんが歌い出しました。
AMEーー♪ ザッザッッザー、AME♪ FURE♪ FURE♪ ドドドドーン!!
それは、激しい雨とノリノリの雷様の太鼓に合わせた、あめふりの歌でした。
ドドーン、ドドーン Picha♪ PIcha♪ RUNRUNRUN♪ Fuuu〜〜♪
やばい。マジですか。雷様までノリノリじゃない。
どうしましょう。うまいわ。ちょっと感動。
「ロックは最高ー! Fuuu〜〜♪」
「プ、プロでしたか」
「いやーねー。妖怪にプロも素人もないわよ。でも、よくロックフェスティバルには乱入するけどね」
「もしかして… あのフェスティバルの雨は、こいつのせいなんじゃ……」だいふく君が、ポツリと言った。
「そんな強力な力持ってるのこの子……」
わたしがポカンとしていると、あめふらしちゃんが私を指差しました。
「さあ、つぎはあなた達の番よ」
一体、この後に何を歌えと言うの!
「だいふく君、だいふく君、どうするの、ねえねえねえ」
「……」
「だいふく君〜」
「……」
だいふく君は、大仏君のように黙りこくって瞑想(迷走)を始めました。
うーー、でも、ここで引き下がっては、ひなちゃんのてるてる坊主「ゆきみ」として立つ瀬がないわ。どっせーーーーい! こうなったら、でたとこ勝負よ。やってやるわー。
私は静かに闘志を燃やして気合を入れました。
声の大きさは負けてないわ。心を込めて、あとは気合と根性。
周りの空気が変わり、シーーーンと静かになって、全ての注目が私に向いた。
「てるてるぼうず〜♪ てるぼうず♪
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